競合を調べてスライドにまとめる作業をAIに任せようとすると、調べるためのAI、文章を整えるためのAI、スライドに起こすためのAIと、開くサービスが増えていきます。
この状態を1つの画面にまとめると書いているサービスがGensparkです。公式ブログは、自らをオールインワンAIワークスペースと位置づけています。ただしAI検索として公開されたあと、2025年4月に自律的に動くAIへ方針を変えています。
この記事では、Gensparkが何をするサービスなのか、ほかの生成AIと何が違うのか、料金がいくらで、使うときに何を確かめるのかをご紹介します。
Gensparkは、調べ物から資料づくりまでを1つの画面で行えるサービスです。提供元の公式ブログは、リサーチ・資料作成・データ分析・画像生成・電話代行までをひとつに集約したオールインワンAIワークスペースだと書いています。読み方はジェンスパークで、同じ公式ブログのよくある質問の欄に書かれています。
図1:同じ提供元でも、資料によって名乗りが違う。
拡大図1:同じ提供元でも、資料によって名乗りが違う。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 公式サイトの版の呼び名は2026年9月22日時点で Genspark AI Workspace 6.0 で、日本語のページでは Genspark AI ワークスペース 6.0 と表記されています。
事業者の名前は資料によって表記が分かれており、公式ブログは運営会社をGenspark Inc.として、アメリカ・シリコンバレーに本社を置くと書いています。いっぽうプライバシーポリシーは、書き手をMainFunc Inc.とその子会社または関連会社とし、そこにGenspark Inc.を含めると書いています。日本法人は2026年1月に設立されたと公式ブログにあります。
始まりはAI検索で、OpenAIが2025年7月1日に公開した記事も、GensparkがAI検索エンジンとして立ち上がったと書いています。同じ記事によると、2024年の後半から利用者の求めが変わり、要約ではなく提案書や台本といった成果物そのものを求めるようになりました。そして2025年4月に、検索から離れて自律的に動くAIへ舵を切ったとあります。
ここでいう自律的に動くAIがAIエージェント(=人に代わって複数の作業を順に進めるAI)です。文章や画像を自動で作る生成AI(=入力した指示から文章・画像・音声などを作るAI)との違いは、作るところで終わらず、作業の段取りまで自分で決める点にあります。AI検索そのものの仕組みは AI検索とは何か で説明しています。
ChatGPTのようなチャット型のAIを使っている人にとって、Gensparkとの差が出るのは出てくるものの形です。チャット型のAIに「競合分析のスライドを作って」と頼むと構成案が文章で返りますが、スライドのファイルそのものが手元に残るわけではありません。
図2:出てくるものがファイルかテキストかで分かれている。
拡大図2:出てくるものがファイルかテキストかで分かれている。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 公式ブログは、自らとAIチャットツール、AI検索ツールの3つを、得意なこと・AIモデル・アウトプット・業務の自動化という4つの軸で並べています。
Genspark 公式ブログの比較表から写した。提供元が自ら並べたもので、第三者が同じ条件で比べた結果ではない(2026年9月22日確認)
Genspark AIチャットツール AI検索ツール 得意なこと 調査から資料作成・業務処理まで丸ごと完結 テキストベースの対話・相談 情報収集・要約 AIモデル 70以上のモデルを統合し、タスクに応じて自動選択 自社モデル中心 複数モデル対応 アウトプット スライド・文書・シート・画像・動画を直接生成 テキスト回答が中心 テキスト回答+出典リンク 業務の自動化 電話代行、メール管理、会議メモ、アプリ開発まで 対話内での提案が中心 検索に特化
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この表は提供元の言い分なので、そのまま他社の評価として読むことはできません。それでも、アウトプットの行には、Gensparkに「スライド・文書・シート・画像・動画を直接生成」、AIチャットツールに「テキスト回答が中心」と書き分けてあります。文章で答えるところまでか、ファイルとして成果物を出すところまでか、という線を引いていると考えられます。
サービスを1つずつ同じ項目で比べたい場合は、 AI検索エンジンの比較 が入り口になります。
Gensparkの機能をつないでいるのがスーパーエージェントで、公式のヘルプセンターは次のように書いています。
図3:質問に答えるところで終わらない点が、チャット型との違いである。
拡大図3:質問に答えるところで終わらない点が、チャット型との違いである。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ Super Agent is Genspark's autonomous AI assistant that thinks, plans, and acts to complete your everyday tasks. スーパーエージェントは、日々の作業をやり遂げるために、考え、計画し、行動するGensparkの自律型AIアシスタントです。
出典:Genspark 公式ヘルプセンター Super Agent(2026年9月22日確認)(新しいタブで開く) 公開は2025年4月で、OpenAIの記事によると、そのときの構成は9つの専門的なLLM(=大量の文章から学習した言語モデル)と、80を超える組み込みの道具を束ねるものでした。同じ記事には、公開から45日で年換算の売上が3,600万ドルに達し、当時のチームが20人だったとあります。
内部の規模は時点によって違い、2026年6月10日付の公式ブログは、70を超えるモデルを統合し、社内ツールが150、外部連携のMCP(=AIから外部のサービスやデータへつなぐための共通規格)が700を超えると書いています。2025年4月のOpenAIの記事にある9つのLLMと80を超える道具とは、数え方が違うため同じ物差しでは比べられません。公式が挙げる対象の区分は、モデルと道具の2つから、モデル・社内ツール・外部連携のMCPの3つに増えています。
新しいスーパーエージェントでは、1度教えた作業の手順をスキルとして保存し、あとから呼び出して使えるようになりました。専用の実行環境を持つようになった点も、ヘルプセンターが旧版との違いとして挙げています。扱えるファイルの大きさは、無料プランで500MBまで、有料プランで1つにつき1GBまでです。
自律的に動くAIそのものの考え方は、AIエージェントとはで説明しています。
機能の名前は多いのですが、公式ブログは仕事の場面で4つに束ね、ツールごとに何ができるのかを並べています。
図4:機能の名前を覚えるより、どの場面に効くかで見るほうが早い。
拡大図4:機能の名前を覚えるより、どの場面に効くかで見るほうが早い。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 3列目は Genspark 公式ブログの説明文を写した。提供元の表記であり、当ラボが動かして確かめた結果ではない(2026年9月22日確認)
仕事の場面 ツール 公式ブログの説明 調べる・裏を取る ディープリサーチ ウェブ情報を収集・統合し、複数AIの相互検証で信頼性の高いレポートを作成 調べる・裏を取る AIチャット 70以上のAIモデルの回答を比較・合成し、より正確な答えを導く 調べる・裏を取る ファクトチェック 主張の根拠を「強い/弱い/裏付けなし」で可視化 作る・まとめる AIスライド 簡単な指示やPDFから、プロ品質のプレゼン資料を数分で生成 作る・まとめる AIドキュメント レポート、契約書、議事録などをAIと対話しながら作成 作る・まとめる AIシート 自然言語でデータ分析やグラフ作成。関数の知識は不要 伝える・任せる AI通話代行 AIが実際に電話をかけて、予約や問い合わせを代行。日本語含む12言語対応 伝える・任せる AI受信トレイ メール受信トレイをAIが分析し、日次ダイジェスト・返信ドラフトを自動作成 伝える・任せる AI会議メモ 会議の文字起こしと要約を自動実行 表現する・作り出す AI画像&動画 テキストから高品質な画像や動画を生成 表現する・作り出す AIデザイン ロゴ、チラシ、メニュー、空間デザインなどをプロンプトひとつで作成 表現する・作り出す AIデベロッパー プログラミング不要でWebサイトやアプリを開発・公開
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使える環境は、ブラウザのほかにiOSとAndroidのアプリ、MacとWindowsのデスクトップ版、それにApple Watchでの会議メモの録音です。どの機能をどこまで使うかによって、後で触れるクレジットの減り方が変わってきます。
料金の出どころは公式ブログに載っている表です。料金ページはログインを求める作りになっており、金額をページの文字情報から確認できません。プランごとの月額とクレジット、それに向いている方までが1つの表になっています。
図5:無料プランはクレジットカードの登録が要らない。
拡大図5:無料プランはクレジットカードの登録が要らない。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ Genspark 公式ブログ(2026年6月10日付)の料金表から写した。同ブログは年間契約を$239.88/年(一括払い)とし、日本円の表記について「2026年6月12日時点の為替レート(1ドル≈160円)に基づく参考値です」と注記している(2026年9月22日確認)
プラン 月額 クレジット 向いている方 Free 無料 100/日 まずは試してみたい方 Plus 年間契約 $19.99(約3,200円)/月 10,000/月 個人・フリーランス Plus 月間契約 $24.99(約4,000円)/月 10,000/月 月単位で試したい方 Pro $249.99(約40,000円) 125,000/月 チーム・ヘビーユーザー
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有料プランに付くものは英語のヘルプセンターに別の形で書かれており、公式ブログより新しい2026年9月22日時点の記述です。Plus と Pro で差が出るのは、クレジットの量と保存の容量、それに週ごとの無償枠の大きさです。
Genspark 公式ヘルプセンター Membership Plans から写した。同ページは、ここに書かれた特典が2027年6月30日まで有効だと断っている(2026年9月22日確認)
項目 Plus Pro 月のクレジット 10,000から。上の段階を選ぶと増える 125,000から。上の段階を選ぶと増える AI Drive の容量 50GB 1TB 生成物の商用利用 含まれる 含まれる 週ごとの無償枠 あり Plusの10倍
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クレジット(=Gensparkの機能を使うたびに減る共通の単位)は、使った処理の重さで消費量が変わります。無料プランは1日100クレジットが自動で付き、クレジットカードの登録は要りません。有料プランは請求のたびに補充されますが、使い切らなかった分は繰り越されず、期間ごとに戻ります。
週ごとの無償枠は2026年9月18日から始まったもので、標準の設定で使うかぎりクレジットを消費しない枠です。始まったばかりの扱いなので、条件は今後変わる可能性があります。
社内で使ってよいかを判断するときは、機能の一覧よりも規約の記述を先に読むほうが話が早く進みます。Gensparkの利用規約は、生成された内容について次のように書いています。
図6:学習への利用の行だけ、出どころは公式ブログである。
拡大図6:学習への利用の行だけ、出どころは公式ブログである。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ you acknowledge that you cannot rely on any Content generated by or submitted to the Service 本サービスによって生成された、または本サービスへ送信されたいかなるコンテンツにも依拠できないことを、利用者は承認します。
出典:Genspark 利用規約(2026年9月22日確認)(新しいタブで開く) つまり、返ってきた資料をそのまま社外へ出す使い方は、提供元が想定していません。ハルシネーション(=AIが事実でない内容を作ってしまうこと)が混ざることもあるので、出典を開いて元の記述に当たる手間を見込んでおくほうが安全です。
入力したデータの扱いについて、社内で確かめることと、それがどこに書かれているかを並べます。
Genspark の利用規約・プライバシーポリシー・公式ブログの記述をそのまま整理した。プライバシーポリシーの最終更新は2026年7月24日である(2026年9月22日確認)
確かめること 公式資料に書かれていること どこに書かれているか 生成物の正しさ 利用者は、生成された内容にも送信した内容にも依拠できないと書かれている 利用規約 入力の収集 いつどう使ったか、入力したプロンプト、その結果の出力が自動的に集められると書かれている プライバシーポリシー 保存の場所 データは Microsoft Azure 上に保存されると書かれている プライバシーポリシー 外部への送信 問い合わせを処理するために、OpenAI または Anthropic の API へ送られる場合があると書かれている プライバシーポリシー 退会後の削除 アカウントを閉じると、30日以内にアカウントのデータをサーバーから削除すると書かれている プライバシーポリシー 学習への利用 オプトアウトを設定すると、会話内容はモデルの学習に一切使用されないと書かれている 公式ブログ 利用できる年齢 18歳以上、または自国で同意できる最低年齢に達していることを求めている 利用規約
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公式ブログは、SOC 2 Type II と ISO 27001 の認証を取得していると書いています。どちらも運用の管理体制について第三者が確かめた認証で、生成された内容が正しいことを保証するものではありません。社内の情報を入れる前に、学習への利用を止めるオプトアウトを設定しておくと、扱いが1つはっきりします。
費用の面では、クレジットが思ったより早く減る場面があり、ヘルプセンターは費用が増える要因を4つ挙げています。
Genspark 公式ヘルプセンター Credits Guide の「What Compounds Your Costs」から整理した(2026年9月22日確認)
費用が増える要因 公式ヘルプセンターの説明 作り直し 1回ごとに最初と同じだけ消費する。指示を直すか、手で小さく直すほうが安い エージェントの再試行 失敗した試行にも消費が発生する。必要なファイルを先に添えて、範囲を絞った指示を出す 長い会話 メッセージのたびに、それまでの文脈をすべて読み直すため消費が増える 作るか直すか 小さな修正は、最初から作り直すより大幅に安い
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公式ブログは、向いている人として3つを挙げています。AIツールの月額が合計でいくらになっているかが見えなくなっている人、毎週の資料づくりに時間を取られている人、そして、どのAIを使えばよいか決められずにいる人の3つです。
図7:分かれ目は、成果物をファイルとして残す必要があるかどうかにある。
拡大図7:分かれ目は、成果物をファイルとして残す必要があるかどうかにある。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 提供元が自ら書いたものなので、他社と比べた結果ではありません。それでも、この3つに当てはまるなら試す価値はあると考えられます。無料プランはクレジットカードの登録なしで始められるので、1日100クレジットの範囲で自社の作業に合うかを見るところから入る順になります。
判断が付かない場合の分かれ目は、成果物がファイルとして必要かどうかです。文章で答えが返れば足りるなら、いま使っているチャット型のAIで済む可能性があります。スライドや表として手元に残す必要があるなら、そこが差になります。
Gensparkは、調べ物・資料づくり・データ分析・画像生成・電話代行までを1つに集めたサービスだと、提供元の公式ブログが位置づけています。中心にあるのはスーパーエージェントで、公式ヘルプセンターは、考え、計画し、行動する自律型のAIアシスタントだと書いています。
AI検索として公開されたあと、2025年4月に検索から離れた経緯は、提供元ではなくOpenAIが自社のサイトに書いています。名前を聞いた時期によって、指しているものが違うのはこのためです。
料金は、無料プランが1日100クレジット、有料のPlusが月額$19.99から、Proが月額$249.99です。金額の出どころは2026年6月10日付の公式ブログで、料金ページ自体はログインを求める作りになっており、金額をページの文字情報から確認できませんでした。
社内で使うかどうかは、利用規約とプライバシーポリシーを読んでから決める順になります。生成された内容に依拠できないこと、入力したプロンプトと出力が集められること、学習への利用をオプトアウトで止められることの3つが、判断の材料になります。
次に読む記事は、目的によって分かれます。AI検索そのものの仕組みを押さえたい場合は AI検索とは何か へ進みます。サービスごとの機能を比べたい場合は AI検索エンジンの比較 、自律的に動くAIの考え方を知りたい場合はAIエージェントとはがあります。
自社のサイトをAIの回答に出すところから考えたい場合は、お問い合わせが相談の窓口になります。
Gensparkの読み方を教えてください。 ジェンスパークです。提供元の公式ブログのよくある質問の欄に、英語表記は Genspark だと合わせて書かれています。
Gensparkはどこの国の会社が作っていますか。 公式ブログは、アメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに本社を置くGenspark Inc.が運営していると書いています。いっぽうプライバシーポリシーは、MainFunc Inc.とその子会社または関連会社が書き手であり、そこにGenspark Inc.を含めると書いています。日本法人は2026年1月に設立されたとあります。
無料で使い続けられますか。 公式ブログによると、無料プランには1日あたり100クレジットが付き、クレジットカードの登録は要りません。ヘルプセンターは、無料プランの補充が毎日自動で行われること、クレジットが期間をまたいで繰り越されないことを書いています。
入力した内容はAIの学習に使われますか。 公式ブログは、会話データをAIの改善に使うかどうかを利用者が選べるとし、オプトアウトを設定した場合は会話内容がモデルの学習に一切使用されないと書いています。プライバシーポリシーには、入力したプロンプトと出力が自動的に集められること、データがMicrosoft Azure上に保存されることが書かれています。
GensparkはAI検索とは違うものですか。 始まりはAI検索でした。OpenAIの記事によると、2025年4月に検索から離れて自律型のエージェントへ方針を変えています。いまの公式サイトはAIワークスペースと名乗っており、検索して答えを返すところで終わらず、スライドや表などの成果物を作るところまでを扱います。AI検索そのものの仕組みは AI検索とは何か で説明しています。