社内で生成AIを試すことになり、まずChatGPTを見てほしいと頼まれる場面があります。画面を開くと入力欄があるだけで、打ち込めば文章が返ってきます。
ChatGPTは、OpenAIが2022年11月30日に公開した対話型のAIです。回答を作っているのはGPTシリーズというモデルで、ChatGPTという名前が指すのは対話の画面から使う製品のほうです。
この記事では、ChatGPTの成り立ちと作られ方から、公式の機能比較表に並ぶ行、個人向けと組織向けのプランの分かれ方、そして似た名前の線引きまでをご紹介します。
ChatGPTは、いつ、どのような位置づけで公開されたのでしょうか。OpenAIの発表記事「Introducing ChatGPT」は、掲載日を2022年11月30日としています。日本語の画面では見出しが「ChatGPT が登場」と表示され、その上に掲載日と「製品」という分類が並びます。本文の1文目は、対話の形でやり取りするモデルを学習させた、という書き出しです。
図1:土台のモデルを用意してから、人の評価を報酬にして微調整するまでの順。
拡大図1:土台のモデルを用意してから、人の評価を報酬にして微調整するまでの順。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 発表記事は、対話の形にしたことで成り立つようになったこととして4つを挙げています。続けての質問に答えること、自分の誤りを認めること、誤った前提に異を唱えること、そして不適切な要求を断ることです。いずれも、1回の入力に1回の出力を返すだけのやり取りでは起こりません。
公開のときの位置づけは研究プレビューでした。発表記事は、利用者の反応を集めて強みと弱みを知るために公開したと書き、続けて、その研究プレビューのあいだの利用は無料だとしています。無料で試せる形は公開の当初から続いており、2026年9月23日に料金ページを開くと、個人向けの一番下に無料のプランが置かれています。
発表記事は、ChatGPTをInstructGPTの兄弟にあたるモデルだと説明しています。InstructGPTは、プロンプト(=AIへ入力する指示の文)に書かれた指示に従って、詳しい回答を返すように学習したモデルです。ChatGPTは、その学習のしかたを対話の形へ持ち込んだものにあたります。
この発表記事そのものは2022年のもので、冒頭に注記が置かれています。この記事は2022年にChatGPTを紹介したもので、それ以降ChatGPTは大きく変わった、という内容です。成り立ちを確かめる材料としては使えるものの、いまの機能と料金はこのページには載っていません。
回答の文章を作っている土台は、GPT-3.5系のモデルです。発表記事は、ChatGPTをGPT-3.5系のあるモデルから微調整したもので、そのモデルの学習は2022年の初めに終わったと書いており、学習にはAzure AIのスーパーコンピューティング基盤が使われたとしています。
図2:枠の全体は4つの働きで分け合うため、利用者の入力に残る部分は全体より小さい。
拡大図2:枠の全体は4つの働きで分け合うため、利用者の入力に残る部分は全体より小さい。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ GPT-3.5系のようなモデルは、LLM(=大量の文章から言葉のつながりを学習し、次に来る言葉を予測して文章を作るAI)と呼ばれます。言葉の並びを確率として学習しているだけなので、そのままでは人の指示に沿った答え方をしません。モデルそのものの仕組みはLLMの記事で扱っています。
そこで使われたのがRLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback=人が付けた評価を報酬にして、AIのふるまいを調整する学習の方法)です。発表記事は、InstructGPTと同じ方法を使い、データの集め方だけを少し変えたと書いており、工程は教師あり微調整・比較データの収集・強化学習の大きく3段に分かれます。手順そのものは、Methodsという節にまとめられています。
人のAIトレーナーが利用者役とAIアシスタント役の両方を演じた対話を作り、そのデータで教師あり微調整をする 1つの応答に複数の候補を出し、AIトレーナーが品質で順位を付けた比較データを集める 集めた比較データから報酬モデルを作り、PPO(Proximal Policy Optimization)で微調整する この3段は1回では終わらず、発表記事は、この工程を何度か繰り返したと書いています。回答の言い回しが人の好みに寄って見えるのは、この繰り返しが挟まっているためと考えられます。
人の評価を使うことには、向きの偏りも付いてきます。発表記事は、回答が冗長になりがちな理由の1つとして、トレーナーが長くて網羅的に見える回答を好むという学習データの偏りを挙げています。発表記事が長さの理由に挙げているのは、回答の正確さではなく学習データの偏りです。
ChatGPTでは、どこまでのことができるのでしょうか。できることの範囲は、OpenAIの料金ページにある機能比較表から読めます。この表は個人向けの4つのプランを列に取り、行を6つの区分に分けています。
図3:土台は共通で、そこへつながる契約だけが2つに分かれる。
拡大図3:土台は共通で、そこへつながる契約だけが2つに分かれる。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ ChatGPTの機能比較表の6区分と、そこに並ぶ行の例(OpenAIの料金ページから・2026年9月23日確認)
区分 そこに並ぶ行の例 Essentials 文章でのやり取り、会話の履歴、Web・iOS・Androidからの利用 Models 使えるモデルの行、応答の速さ、1回のやり取りで扱える文章の量 Features Web検索、音声での対話、ファイルの読み込み、画像の生成、データ分析、GPTsの利用と作成、予約しての実行 Privacy 入力した内容をモデルの学習に使うかどうか Security & Administration 管理コンソール、SAML SSO、SCIM、利用状況の記録、IPアドレスの制限 Customer Service 手厚い支援、導入時の案内、担当者による継続的な支援
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文章でのやり取りと会話の履歴は4つのプランすべてで同じ表示で、Web検索の行も同じく、無料のプランでも有効になっています。検索の起動のしかたと出典の確かめ方はChatGPT検索の記事で扱っています。
GPTs(=用途に合わせてふるまいを設定した専用のChatGPTを作る機能)は、2つの行に分かれています。見つけて使う行は4つのプランすべてが有効で、作って共有する行だけが無料のプランで対象外です。法人の契約でなければ触れない機能ではありません。
Modelsの区分には、1回のやり取りで扱える文章の量を示す行が並びます。料金ページの注記は、この共有の文脈の枠(=1回のやり取りでAIが一度に読み書きできる文章の量)を4つの働きに使うと書いています。依頼の読み取り、会話の追跡、関連する情報の取り出し、そして回答の組み立ての4つで、利用者の入力に残るのは、枠の全体からこれらに取られる部分を差し引いた残りです。
Privacyの区分には、入力した内容をモデルの学習に使うという行があり、4つのプランとも取りやめの設定ができると書かれています。Security & Administrationの区分に並ぶ管理コンソールやSAML SSOは、個人向けの4つではすべて対象外です。Customer Serviceの区分に並ぶ手厚い支援や導入時の案内も、同じく対象外の表示になっています。組織として入れるなら、ここが分かれ目になります。
ChatGPTのプランは、どのように分かれているのでしょうか。料金ページは「個人向け」と「ビジネス・エンタープライズ向け」の2つのタブに分かれています。個人向けのタブには、無料版・Go・Plus・Proの4枚のカードが並びます。組織向けのタブに置かれているのはBusinessとEnterpriseの2つです。
図4:製品そのものと、検索の機能と、引用される側の対策で分かれる。
拡大図4:製品そのものと、検索の機能と、引用される側の対策で分かれる。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 契約の単位は、この2つのタブで変わります。料金ページのFAQは、無料版は誰でも使えるとしたうえで、有料のプランは1人あたりの月額だと書いています。月ごとの契約があるのはGo・Plus・Businessで、年ごとの契約はBusinessとEnterpriseです。
ChatGPTのプランの主な対象と契約の単位(OpenAIの料金ページとそのFAQから・2026年9月23日確認)
プラン 主な対象 契約の単位 無料版(Free) 個人。まず試す人 登録すれば誰でも使える Go 個人。無料版より利用枠を増やしたい人 1人あたり月額。月ごとの契約 Plus 個人。日常的に使う人 1人あたり月額。月ごとの契約 Pro 個人。利用量がとくに多い人 1人あたり月額 Business 組織。2人以上で使う 1人あたり月額。月ごとと年ごとの契約 Enterprise 組織。営業への問い合わせが要る 1人あたり月額。年ごとの契約
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組織向けのBusinessは2人から契約でき、支払い方法もそこで分かれます。Go・Plus・Pro・Businessは主要なクレジットカードで購入でき、Enterpriseは請求書のような別の方法を営業へ問い合わせる形です。非営利団体については、BusinessとEnterpriseで割引を受けられると書かれており、割引率は75%までです。
同じ個人向けでも、段が上がると表示が変わる行があります。機能比較表から、4つのあいだで値が分かれる行だけを抜き出しました。増えるのは使える量と機能の幅で、管理の機能はここには入ってきません。
個人向けの4段階で表示が分かれる行(OpenAIの料金ページの機能比較表から・2026年9月23日確認。下2行の値は料金ページの表示のまま写した)
行 無料版 Go Plus Pro GPTsを作って共有する 対象外 可 可 可 予約しての実行 対象外 可 可 可 映像つきの音声での対話 対象外 可 可 可 記憶 制限あり 可 拡張 拡張 Deep research 制限あり 制限あり 可 可 扱える文章の量(即答するモデル) 27K 54K 54K 128K 扱える文章の量(推論するモデル) 場合による 256K 256K 400K
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Proのカードには、Plusの5倍の利用量という記述が並び、Goのカードには、広告が入る場合があるという但し書きが付いています。利用量そのものについては、表の脚注に、適切な範囲で方針に沿って使うことという条件が添えられています。
2026年9月23日に撮った料金ページの画面では、金額の欄は空のまま表示され、出てくる金額は地域によって変わります。段を選ぶときは、公式の料金ページで金額を確かめたうえで、この章の2つの表で対象と契約の単位を照らし合わせる順になります。
社内の資料では、ChatGPT・GPT・OpenAI API・ChatGPT検索という語が同じ段落に並ぶことがありますが、4つはそれぞれ別のものを指しており、置き換えると話が通らなくなります。名前を取り違えると、見積もりを頼む先も、条件を確かめにいく公式ページも変わってきます。
図5:研究プレビューとして始まり、検索の開放とプランの増設が続いた。
拡大図5:研究プレビューとして始まり、検索の開放とプランの増設が続いた。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ ChatGPTのまわりで混ざりやすい4つの名前が、それぞれ何を指すか、どこで使うか(OpenAIの発表記事と料金ページから・2026年9月23日確認)
名前 何を指すか どこで使うか ChatGPT OpenAIが2022年11月30日に公開した、対話の形でやり取りする製品 対話の画面と、スマートフォンおよびパソコン向けのアプリ GPTシリーズ 回答の文章を作っているモデル。料金ページのModelsの区分に9行が並ぶ ChatGPTの中と、OpenAI APIの両方 OpenAI API 自社のシステムからモデルを呼び出すための開発者向けの契約 自社で作るアプリや社内のシステム ChatGPT検索 ChatGPTの中でWebを検索し、出典を添えて答える機能 ChatGPTの対話の中
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ChatGPTは製品の名前で、GPTシリーズはその回答を作っているモデルの名前です。発表記事は、ChatGPTをGPT-3.5系のモデルから微調整したものだと書いています。料金ページのModelsの区分には、GPT-6 AstraからGPT-5 Thinking Miniまで9行のモデルが並び、どの行が使えるかはプランで変わります。
OpenAI APIは、同じ土台のモデルを自社のシステムから呼び出すための契約です。ChatGPTの契約とは別に結ぶもので、ChatGPTの席を増やしてもAPIは使えません。逆にAPIを契約しても、ChatGPTの対話の画面やアプリが付いてくるわけではありません。
ChatGPT検索は、ChatGPTの中に置かれた機能の名前で、OpenAIは2024年10月31日に提供の開始を発表し、2025年2月5日の更新で、登録なしで誰でも使える形になったと書いています。動き方は、質問の内容に応じて自動で動く場合と、利用者がWeb検索の印を押して動かす場合の2通りです。起動のしかたと出典の確かめ方はChatGPT検索の記事で扱っています。Google検索との使い分けは ChatGPT検索とGoogle検索を比べた記事 にまとめています。
ChatGPTは、OpenAIが2022年11月30日に研究プレビューとして公開した、対話の形でやり取りするAIです。回答を作っているのはGPT-3.5系から微調整されたモデルで、微調整には人が付けた評価を報酬にするRLHFが使われました。2026年9月23日に料金ページを開くと、個人向けは4段階、組織向けは2つに分かれています。
契約で分かれるのは、利用量と、1回のやり取りで扱える文章の量と、管理の機能です。対話そのものとWeb検索は、無料のプランでも行が有効になっています。組織として入れるなら、管理コンソールやSAML SSOの並ぶ区分が分かれ目になります。どこまでを無料で試し、どこから契約へ移すかは、この分かれ目で決めることになりそうです。
もう1つの見分け方は出典で、発表記事はLimitationsの節に、回答の確からしさについて次の記述を置いています。
ChatGPT sometimes writes plausible-sounding but incorrect or nonsensical answers.
出典:OpenAI「Introducing ChatGPT」(2026年9月23日確認)(新しいタブで開く) もっともらしく聞こえるものの、誤っているか意味をなさない回答を書くことがある、という記述です。同じ節には、言い回しを少し変えただけで答えが変わることや、あいまいな問いに対して聞き返さずに意図を推測して答えることも並んでいます。調べものに使うときは、出典のリンクが添えられているかをそのつど確かめ、リンク先で元の記述に当たる手順が要ります。
モデルそのものの仕組みはLLMの記事、生成AI全体の中での位置づけは生成AIの記事で扱っています。自社で使うプランの選び方や、AI検索での見え方の調べ方から相談したい場合は、お問い合わせが窓口です。
ChatGPTは無料でどこまで使えますか。 料金ページの機能比較表では、文章でのやり取り、会話の履歴、Web検索、GPTsを見つけて使うことが、無料版でも有効な行として並んでいます。対象外になっているのは、GPTsを作って共有すること、予約しての実行、映像つきの音声での対話などです。
ChatGPTとGPTは何が違いますか。 ChatGPTは対話の画面から使う製品の名前で、GPTはその回答を作っているモデルの名前です。発表記事は、ChatGPTをGPT-3.5系のモデルから微調整したものだと説明しています。料金ページのModelsの区分には9行のモデルが並び、どの行が使えるかはプランで変わります。
ChatGPT Teamというプランは今もありますか。 2026年9月23日に料金ページを開くと、組織向けに並んでいるのはBusinessとEnterpriseの2つで、Teamという名前は載っていません。同じページのFAQも、組織向けのプランをBusinessとEnterpriseとして説明しています。
ChatGPTの回答はそのまま信用してよいですか。 発表記事は、もっともらしく聞こえるものの誤っているか意味をなさない回答を書くことがあると書いています。言い回しを少し変えると答えが変わることや、あいまいな問いに聞き返さずに答えることも挙げています。重要な判断に使う前には、出典のリンクをたどって元の記述に当たる必要があります。
ChatGPTとOpenAI APIは同じ契約ですか。 いいえ、別の契約で、ChatGPTは対話の画面とアプリから使う製品、OpenAI APIは自社のシステムからモデルを呼び出すための開発者向けの契約です。土台のモデルは共通していますが、どちらかを契約しても、もう一方が付いてくるわけではありません。
組織向けの契約は何人から結べますか。 料金ページのFAQは、Businessのプランを2人から使えると書いており、Enterpriseについては営業への問い合わせが要ります。支払いは、Businessまでが主要なクレジットカードで、Enterpriseは請求書のような別の方法を相談できると書かれています。