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構造化データとは?SEOとAI検索での効果を検証

構造化データは、ページの内容を機械が読める形で示す記述です。Googleが「特別な追加は不要」と書いていること、1,885ページを追跡した調査の結果、MicrosoftがBing Webmaster Guidelinesに書いていることを、確認日つきでご紹介します。

「構造化データを入れればAIに引用されやすくなる」と書いた解説を読み、自社でも足すべきか判断するよう頼まれることがあります。ところが根拠を聞かれて出どころをたどっても、公式ドキュメントの記述に行き当たらないことがあります。

構造化データという語は、行と列でデータを持つデータ基盤の話と、ページの内容を機械が読める形で示すマークアップの話の、2つの別のものを指して使われています。この記事が扱うのは後者です。

この記事では、次の6つをご紹介します。

  • 構造化データという語が指す2つのもの
  • GoogleがAI機能について書いていること
  • 1,885ページを追跡した第三者の調査の結果
  • MicrosoftがBing Webmaster Guidelinesに書いていること
  • OpenAI・Perplexity・Anthropicの公開ドキュメントの記述
  • 従来検索での効果と、書くときの決まり

1. 構造化データとは何か。同じ語が2つの別のものを指している

この語は、使う場面によって指すものが変わります。読み始める前に、どちらの話なのかを決めておく必要があります。

図1:書く場所から表示までの順に並べた。公式に効果が示されているのは従来の検索結果までである。

構造化データが届く範囲
構造化データが届く範囲

図1:書く場所から表示までの順に並べた。公式に効果が示されているのは従来の検索結果までである。

出所:GMO AI検索ラボ
  1. データ基盤の構造化データ … 行と列で形の決まったデータ。集計や分析の対象になる
  2. 検索の構造化データ … ページの内容を機械が読める形で示し、本文とは別に書き添える記述

データ基盤の文脈でこの語を使うときは、リレーショナルデータベース(=行と列でデータを持つ形式のデータベース)やスプレッドシートに入っている、あらかじめ形の決まったデータを指します。顧客リストや売り上げの記録がこれにあたり、SQLで取り出して集計する対象になります。

検索の文脈でこの語を使うときは、別のものを指します。Google 検索セントラル(=Google公式の開発者向けドキュメント)は、構造化データを、ページに関する情報をさまざまなサイトで活用できるように標準化したデータ形式と説明しています。価格・著者・公開日といった要素に機械が読めるラベルを付け、本文とは別に書き添える記述です。

規格そのものを運営しているのはschema.org(スキーマ・オルグ=構造化データの共通規格)です。公式ページには、Google・Microsoft・Yahoo・Yandexの4社が設立したことと、いまは開かれたコミュニティの手順で仕様を作っていることが書いてあります。普及の規模も同じページに載っており、2024年時点で4,500万を超えるドメインが、4,500億を超えるオブジェクトをマークアップしているという記述です。

書き方は1つではありません。Google 検索セントラルは、JSON-LD・microdata・RDFaの3つの形式を挙げたうえで、実装と管理がもっともたやすい形式として、ほとんどの場合はJSON-LDを推奨すると書いています。どの型をどのページに当てるかという実装の手順は、AI検索のためのテクニカルSEOにまとめています。AI向けのテキストファイルを置くかどうかの判断のほうは、llms.txtとはで扱っています。

2. Googleは何と言っているか。AI機能のための追加のマークアップは不要と書いている

AI Overviews(=Googleの日本語のヘルプでは「AI による概要」と呼ぶ、生成AIが書いた要約)やAIモードについて、Googleは専用のドキュメントを用意しています。検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」がそれで、サイト側で何をすればよいかを述べたページです。構造化データについては、次のように書かれています。

AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません。また、特別な schema.org の構造化データを追加する必要もありません。

出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(2026年9月23日確認)(新しいタブで開く)

では何のために追加するのかというと、同じ検索セントラルの構造化データ入門ページは、目的をリッチリザルトの獲得と説明しています。リッチリザルトとは、星評価やFAQなどを添えた形で検索結果に出る拡張表示のことです。構造化データを追加すると利用者の興味をひく検索結果を表示できるようになり、サイトの利用も増えることが期待される、という書き方です。

同じページには、効果を示す事例が4社分載っています。Rotten Tomatoesは10万ページに追加してクリック率が25%増え、Nestléはリッチリザルトを表示するページのクリック率が表示しないページより82%高いという紹介です。残る2社では、The Food Networkのアクセス数が35%増え、楽天は滞在時間が1.5倍、インタラクション率が3.6倍になったとしています。

いずれも従来の検索結果での話です。AI OverviewsやAIモードでの引用が構造化データで増えるという記述は、この2つのページにありません。記述が無いことは、効果が無いことの証明にはなりません。それでも、社内で期待値を置くときは、公表されている範囲にとどめておくほうが安全だと考えられます。

3. 実測はどうか。Ahrefsが1,885ページの前後30日を追跡した

公式の記述だけでは、効果が無いところまでは言い切れません。手がかりになるのが、被リンクや検索順位を調べるSEO分析ツールを提供するAhrefsが公表した追跡調査です。2025年8月から2026年3月にかけて、JSON-LDを新たに追加した1,885ページを追いかけ、AI検索での引用がどう動いたかを数えています。

図2:出どころのURLまで戻り、記述が無いところは無いまま残す。

主張の裏づけをたどる順序
主張の裏づけをたどる順序

図2:出どころのURLまで戻り、記述が無いところは無いまま残す。

出所:GMO AI検索ラボ

比べ方も公表されています。追加していない4,000ページを対照群として置き、追加した日の前30日と後30日を突き合わせる設計です。対象に選んだのは、追加より前の2025年2月の時点でAI Overviewsからの引用を100件以上受けていたページで、すでに引用されている状態から始まっています。

プラットフォームごとの、前後30日の引用の変化と統計の判定。Ahrefs「We Tracked 1,885 Pages Adding Schema. AI Citations Barely Moved.」の数値から作成(2026年9月23日確認)。対象は1,885ページ、対照群は4,000ページ。

プラットフォーム前後30日の引用の変化統計の判定
Google AI Overviews4.6%の減少統計的に有意な変化
Google AIモード2.4%の増加ノイズと区別できない
ChatGPT2.2%の増加ノイズと区別できない

横にスクロールできます

Ahrefs自身の結論は、すでにAIから引用されているページにJSON-LDを足しても、Google AIモードとChatGPTでの引用は増えなかった、というものです。AI Overviewsで見えた小さな減少についても、schema.orgのマークアップのせいだとは言い切れないとしており、押し上げの効果は確認できなかったという報告になっています。

この調査から言えるのは、対象に選んだ条件の中での話です。すでに引用の実績を持つページだけを追っているので、まだ引用されていないページで構造化データがどう働くかは、この設計では分かりません。業種や規模の違うサイトで同じ結果になるかどうかも、この報告の外にあります。

4. MicrosoftのBingは何と言っているか。グラウンディングを助けうるが保証はしないと書いている

公式の記述はGoogleだけではありません。Microsoftが公開しているBing Webmaster Guidelinesは、冒頭で、この指針がBingの検索とCopilot、そしてグラウンディングAPIの結果にまたがることを述べています。グラウンディング(=回答の根拠として外部の情報を使うこと)を名指しした指針で、22の項目が並んでいます。

そのうち第14項が構造化データを扱っており、項目名はUse Structured Data Accuratelyです。

Structured data may support clearer grounding but does not guarantee visibility or grounding traffic. Markup must accurately reflect visible content.

出典:Microsoft「Bing Webmaster Guidelines」第14項(2026年9月23日確認)(新しいタブで開く)

構造化データはより明確なグラウンディングを支えうるが、表示もグラウンディング経由の流入も保証しない、という書き方です。後半の1文は、マークアップが表示されている内容を正確に反映しなければならないと述べています。効果を認める側と、保証はしないと断る側が、同じ2文の中に並んでいます。

同じ指針の後半には、避けるべき行為を並べた節があります。そこにはMisleading Structured Dataという項があり、関係の無いマークアップや不正確なマークアップは無視されることがあり、信頼と拡張表示の対象になれるかどうかに影響しうると書かれています。書いてよい内容の線引きが、Googleと同じ向きで示されています。

受け付ける書き方も公開されています。Bingのヘルプページには、Schema.orgをHTML Microdata・JSON-LD・Microformats・RDFaの4つの形式で受け付け、これにOpen Graphを加えると書いてあります。あわせて、クローラーはどの仕様も優先しないと明記しており、どれを選ぶかはサイト側に任せる立場を取っています。

5. 他社の公開ドキュメントには何が書かれているか。記述の有無で分ける

OpenAIは、構造化データについて何を公開しているのでしょうか。公開されているのは、商品の扱いについての記述です。ChatGPTの検索で商品を並べるときに見る材料として、一次と三次の提供元から来る構造化されたメタデータを挙げており、価格や商品説明が例に出ています。商品フィードの仕様書のほうは、受け付ける形式をJSONL・CSV・TSV・TXTとしており、schema.orgへの言及はありません。

図3:索引に載っているかを先に確かめ、表示している内容の範囲だけを書く。

実装に着手するまでの順序
実装に着手するまでの順序

図3:索引に載っているかを先に確かめ、表示している内容の範囲だけを書く。

出所:GMO AI検索ラボ

PerplexityとAnthropicは、サイト側へ向けた記述をクローラーの案内に絞っています。Perplexityのドキュメントに載っているのはPerplexityBotとPerplexity-Userの2つで、robots.txtでの制御のしかたが書いてあります。Anthropicのヘルプも同じ形で、ClaudeBot・Claude-User・Claude-SearchBotの3つと、robots.txtの指示に従うという説明が載っています。どちらのページにも、構造化データについての記述はありません。

情報源ごとに、公開ドキュメントに書かれていることと、AI検索の引用への効果を並べた。各社のページは2026年9月23日に開いた。「記述なし」は、そのページに記述が見当たらなかったことを指す。

情報源公開ドキュメントに書かれていることAI検索の引用への効果
Google 検索セントラルAI機能のために特別なschema.orgの構造化データを追加する必要は無い直接の増加についての記述なし
Google 構造化データ入門リッチリザルトの獲得が目的。4社の事例を数値つきで紹介従来検索での効果のみ
Ahrefsの追跡調査1,885ページを対照群つきで前後30日比較AI Overviewsは減少、AIモードとChatGPTはノイズと区別できない増加
Bing Webmaster Guidelinesグラウンディングを支えうるが、表示も流入も保証しない保証はしないと明記
OpenAI商品を並べる材料として構造化されたメタデータを挙げるページのマークアップについての記述なし
Perplexity・Anthropicクローラー名とrobots.txtでの制御のみ構造化データについての記述なし

横にスクロールできます

公開されている記述を並べると、構造化データとAI検索の引用を直接結びつけた公式の文はありません。断定的な主張を見かけたときは、根拠が各社のドキュメントなのか、それとも書き手の推測を含む解説なのかを、URLまでさかのぼって確かめるほうが確実です。出どころの書かれていない主張は、社内へ持ち込む前に保留にしておけます。

6. それでも入れる意味はどこにあるか。従来検索の効果と誤読の防止に残る

公開されている事実を並べるかぎり、構造化データはAI検索の引用を直接増やすための施策ではありません。ただし、入れる意味が消えたわけでもありません。従来の検索結果でのリッチリザルトとクリック率については、Googleが自社のページで事例を挙げており、そちらの効果は公表されています。

もう1つは、ページの主題・著者・公開日を機械が取り違えにくくなることです。Microsoftの指針も、実体をはっきりと一貫した名前で示すことがグラウンディングでの見え方と引用の正確さを高めると書いています。本文の書き方だけに頼らず、機械が読めるラベルを添えておく形になります。

書くときの決まりは、両社とも同じ向きです。Googleは、利用者が見ている画面に表示されない情報については、正確であっても構造化データに追加しないよう求めています。Microsoftも、マークアップは表示されている内容を正確に反映しなければならないとし、食い違うものは無視されることがあると書いています。

7. まとめ。構造化データの前に、検索に拾われているかを確かめる

AI検索の回答に自社のページを並べたいときは、そのページがそもそも検索の対象として拾われているかどうかを先に確かめる順番になります。Microsoftの指針も、Copilotの体験が従来の検索と同じクロール・インデックス・ランキングの土台に依っていると述べています。索引に載っていないページは、マークアップを足しても引用の候補に入りません。

各社のドキュメントは書き換わります。実際、Bing Webmaster Guidelinesは、Copilotとグラウンディングを名指しした形になっています。社内へ説明するときに、どのページをいつ開いたのかを添えておくと、あとから読み直した人が食い違いに気づけます。自社のページが引用されているかどうかの数え方はAI検索の計測に、実装の手順はAI検索のためのテクニカルSEOにまとめています。自社の状況に合わせた進め方は、お問い合わせから相談できます。

8. 構造化データに関するよくある質問

構造化データを入れれば、AI検索に引用されやすくなりますか。

公式に保証されてはいません。Google 検索セントラルは、AI機能に表示されるために特別なschema.orgの構造化データを追加する必要は無いと書いています。Ahrefsが1,885ページを追跡した調査でも、Google AIモードとChatGPTでの引用は増えていません。

Googleは構造化データの効果として何を認めていますか。

従来の検索結果にリッチリザルトが出ることと、クリック率が高くなることです。構造化データ入門のページには、Rotten Tomatoesのクリック率25%増、Nestléの82%差、The Food Networkのアクセス数35%増、楽天の滞在時間1.5倍という4社の事例が載っています。

BingとCopilotは構造化データをどう扱っていますか。

Bing Webmaster Guidelinesの第14項は、構造化データがより明確なグラウンディングを支えうると書きつつ、表示もグラウンディング経由の流入も保証しないと続けています。あわせて、マークアップは表示されている内容を正確に反映しなければならないと求めています。

ChatGPTやPerplexity、Claudeはどうですか。

OpenAIは商品を並べる材料として構造化されたメタデータを挙げていますが、ページのマークアップと引用の関係についての記述はありません。PerplexityとAnthropicが公開しているのはクローラー名とrobots.txtでの制御で、構造化データについての記述はありません。

どの記法で書けばよいですか。

Google 検索セントラルは、JSON-LD・microdata・RDFaの3つのうち、ほとんどの場合はJSON-LDを推奨すると書いています。Bingのヘルプは、Schema.orgをHTML Microdata・JSON-LD・Microformats・RDFaの4つの形式で受け付け、クローラーはどの仕様も優先しないと明記しています。

それでも構造化データを実装する意味はありますか。

あります。従来検索でのリッチリザルトの事例が公式ページに載っているほか、ページの主題や著者を機械が取り違えにくくなります。ただし、表示していない情報を書かないという決まりがGoogleとMicrosoftの両方にあるので、画面に出ている内容と一致させて運用する形になります。

関連する出典

この記事の根拠にした一次情報(=発表元がみずから出している資料)です。

  1. Google 検索セントラル — AI Features and Your Website(新しいタブで開く)https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features
  2. Google 検索セントラル — 構造化データ入門(新しいタブで開く)https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data
  3. Ahrefs — We Tracked 1,885 Pages Adding Schema. AI Citations Barely Moved.(新しいタブで開く)https://ahrefs.com/blog/schema-ai-citations/
  4. Schema.org 公式(新しいタブで開く)https://schema.org/

この記事に出てくる用語

AIO
AI検索全般に向けた、見つけられ方の最適化。
生成AI検索
AIが対話形式で答えそのものを返す、新しい検索のかたち。
AI検索
生成AIを使って答えを導く検索の総称。
構造化データ
ページの意味を機械可読にする印づけ。schema.org の語彙をJSON-LDで書き、AIや検索の理解・引用を助けます。
schema.org
構造化データの共通語彙。Article・FAQ・Breadcrumb・Organizationなど数百の型で、ページの意味を機械可読にします。

執筆者紹介

上席研究員

中村 仁紀

「GMO AI最適化ブースト」のAIO/GEOコンサルタント 兼 GMO AI検索ラボ 上席研究員。生成AIに引用・推奨されるためのウェブサイトの最適化を支援します。

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