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GLOSSARY

Perplexity-User

Perplexity(出典付きで回答するAI検索エンジンを運営する企業)が公開する、ユーザーの質問時にその場でページを取りに行くユーザー起点フェッチャー。索引用のPerplexityBotとは区別します。

ぱーぷれきしてぃゆーざー12分で読めます

Perplexity-Userとは何か

Perplexity-Userは、Perplexityが「ユーザー起点の取得」のために動かすフェッチャーです。Perplexityのユーザーが質問したとき、その回答に必要なページを個別に取りに行きます。定期巡回ではなくユーザーの操作をトリガーにする点で、他社のフェッチャー(ユーザー指示で単発取得するプログラム)と同じ思想の設計です。Perplexityはこの取得系を、回答候補を索引化するPerplexityBotとは別のUA名で明確に分けており、サイト運営者が用途ごとに扱いを変えられるようにしています。

サイト側から見ると、Perplexity-UserはHTTPリクエストのUA文字列に「Perplexity-User」を含めて来訪します(公式のフルUAは末尾にperplexity-userの説明ページURLを含む形です)。したがってアクセスログでこの名前を数えれば、「Perplexity利用者が自サイトのページを実際に取りに来させた回数」の目安が分かります。これはPerplexityBotの巡回数(=あらかじめ索引化するための収集量)とは意味が違う数字で、Perplexity-Userの来訪は「今この瞬間、誰かがPerplexity越しに自サイトを参照した」需要のシグナルに近いものです。

AIボットの「3分類」でPerplexity-Userを位置づけると、これは(3)ユーザー起点フェッチャーにあたります。AI関連ボットは目的で3種に分かれ、(1)学習・収集系=訓練データ集め、(2)回答・検索系=回答の出典候補を索引化、(3)ユーザー起点フェッチャー=ユーザー指示でその場取得、という構図です。Perplexityの場合、(1)にあたる基盤モデルの訓練用収集は行わない針を公表しており、公開しているボットは(2)のPerplexityBot(索引化)と(3)のPerplexity-User(ユーザー起点取得)が中心です。この点は、学習・検索・取得の3系統をすべて持つOpenAI(GPTBot/OAI-SearchBot/ChatGPT-User)やAnthropic(ClaudeBot/Claude-SearchBot/Claude-User)と対比すると理解しやすくなります。Perplexity-Userは、そのうち「ユーザーの即時の求めに応える取得」の担当です。

なぜ重要か(AI検索での位置づけ)

AI検索の可視化(=生成AIの回答に自社が引用・参照されること)を測るうえで、Perplexity-Userは「ユーザーの現在の需要に最も近いボット」です。PerplexityBotの索引化は将来の出典候補づくりですが、Perplexity-Userの取得は、まさに今、Perplexityのユーザーが自サイトの情報を必要としている場面で発生します。ただし取得されたこと自体は「Perplexityの回答に出典として表示された」証拠ではありません。取得は必要条件であって十分条件ではなく、実際に回答へ引用されたかは別途モニタリングが要ります。当ラボの引用計測でも、PerplexityBot(回答・検索系の索引)とPerplexity-User(ユーザー起点取得系)を分けて扱い、学習・収集系(訓練データ集め)とも指標を分けています。

仕組み(2種類のボットの違いとUA文字列)

索引用の巡回(PerplexityBot)と、ユーザー起点の即時取得(Perplexity-User)は別物。
ボット分類目的robots.txtの尊重
PerplexityBot回答・検索系回答の出典候補をあらかじめ索引化する自動巡回尊重する(許可・拒否を制御可)
Perplexity-Userユーザー起点フェッチャーユーザーの質問時にその場で1ページ取得必ずしも尊重しない

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UA文字列は判別の基本手がかりです。Perplexity-Userは名乗りに「Perplexity-User」を含みます。ただしUAは誰でも自由に書き換えられる(=別のボットが「Perplexity-User」を騙れる)ため、UA名の一致だけで本物と信じるのは危険です。Perplexityは自社ボットの正当なアクセス元IPアドレス範囲を機械可読ファイル(perplexity-user.json 等の形で公開)で配布しており、UA名の照合に加えてアクセス元IPが公式範囲に入るかを確かめることで、なりすまし(UA詐称)を排除できます。

なぜユーザー起点フェッチはrobots.txtを必ずしも尊重しないのか——理屈を押さえます。robots.txt(RFC 9309で標準化された取り決め)は、もともと「自動でWebを巡回するロボット」向けに巡回可否を伝える仕組みです。ところがPerplexity-Userの取得は、自動巡回ではなく「ユーザー本人が、この質問に答えてほしいと依頼した」行為の代行に近いものです。人が自分でブラウザを開いてそのページを読むのを止められないのと同じ理屈で、ユーザーの意思による1件取得は自動巡回の禁止ルールとは別扱いにする、という設計思想です。Perplexity公式も、Perplexity-Userを「ユーザーの操作を支えるもので、Webクローリングや訓練用の収集ではない」と明記しています。したがってrobots.txtでPerplexityBot(索引化)を拒否しても、ユーザーが質問した瞬間のPerplexity-Userの取得までは止まらないことがあります。

具体例・データ

  • UA検知の手がかり:アクセスログのUA文字列に「Perplexity-User」を含むかで判別します(部一致で拾います)。公式UAは `Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Perplexity-User/1.0; +https://perplexity.ai/perplexity-user)` の形。
  • 発火の条件:ユーザーがPerplexityで質問し、その回答に必要なページを個別に取りに行くときに走ります。定期巡回ではありません。
  • 2ボットの分離:出典候補の索引化はPerplexityBot、ユーザー起点取得はPerplexity-User。目的が違うので集計も別にします。
  • 公式IPレンジ照合:Perplexityは自社ボットのIP範囲を機械可読ファイルで公開しています。UA照合だけでなくIP照合で本物を確認すると、詐称を排除できます。
  • 典型シナリオ:ユーザーがPerplexityで「◯◯の最新情報は?」と質問→Perplexity-Userが関連ページを個別に取得→回答本文に番号付きの出典として反映される可能性があります。
  • 他社の対応物との対比:ChatGPT-User(OpenAI)やClaude-User(Anthropic)が同じ「ユーザー起点フェッチャー」に相当します。ただしrobots.txtの扱いは分かれ、OpenAIは適用されない場合があると説明、Anthropicは尊重すると明記しています。
  • 外部が示した規模:Cloudflareは2025年8月4日の報告で、宣言済みUAのPerplexity-Userによるリクエストを1日2,000万〜2,500万件、同社がステルスと判断した未宣言UAのリクエストを1日300万〜600万件と示しました。Perplexityは同日の反論記事で、後者は第三者のクラウドブラウザサービスBrowserBaseのトラフィックの取り違えであり、自社の利用は1日45,000リクエスト未満だと反論しています。

「クロール/取得された≠AIの回答に引用された」という原則は、Perplexity-Userでも当てはまります。Perplexityは回答本文に番号付きで出典を明示する設計(サイテーション=根拠として提示される出典リンク)で知られますが、Perplexity-Userがページを取得したからといって、その取得先が必ず出典として表示されるわけではありません。取得はあくまで「回答づくりの過程で参照した候補」であり、最終的に出典欄へ載るかは関連度・内容の質で決まります。したがって、Perplexity-Userのアクセス数は「Perplexity経由の需要の大きさ」の目安にはなっても、「引用された成果」そのものではない、と切り分けて読む必要があります。成果は、実際の回答出典に自社が何回・どの質問で載ったかをモニタリングして測ります。

よくある誤解・注意点

実務での扱い方

  1. 2ボットを分けて認識する:PerplexityBot(索引)とPerplexity-User(ユーザー起点取得)の目的差を理解し、方針を別々に決めます。
  2. robots.txtを整える:出典候補への索引化を止めたいならPerplexityBotを拒否します。ただしPerplexity-Userはrobots.txtで必ずしも止まらない前提で設計します。
  3. ログでUAを集計する:Perplexity-Userの来訪を、PerplexityBotと分けて数えます。「索引化」と「ユーザー起点取得」を混ぜません。
  4. IPで裏を取る:不審な大量アクセスや遮断判断では、UA名だけでなくPerplexity公式IPレンジと照合し、なりすましや公式レンジ外からのアクセスを見極めます。
  5. 可視化は別指標で測る:Perplexity-Userの取得数を成果と即断せず、実際にPerplexityの回答へ引用されたかをモニタリングで評価します。

よくある質問(FAQ)

Perplexity-UserとPerplexityBotの違いは何ですか?

PerplexityBotは回答の出典候補をあらかじめ索引化する自動巡回クローラーです。Perplexity-Userはユーザーが質問した瞬間にその場でページを取りに来るユーザー起点フェッチャーで、目的も動き方も異なります。

robots.txtでPerplexityBotを拒否すればPerplexity-Userの取得も止まりますか?

止まらないことがあります。Perplexity-Userはユーザー本人の操作に近いユーザー起点フェッチで、robots.txtの一般ルールを必ずしも尊重しないためです。確実に止めたいならIP照合や防御層での対策を併用してください。

Perplexity-Userに取得されると、Perplexityの回答に出典として載りますか?

載る保証はありません。取得は「ユーザーが今参照した」事実を示すだけで、回答への引用可視化とは別です。実際に引用されたかは回答のモニタリングで確認してください。

UAが「Perplexity-User」なら本物と信じてよいですか?

いいえ。UAは誰でも書き換えられるため、名乗りだけでは判定できません。遮断・許可の判断では、公式IPレンジと照合して裏を取ってください。お2025年8月4日のCloudflareの報告は、遮断された場面でPerplexityが未宣言のUAを使ったと指摘しており(Perplexityは同日の反論記事で否定)、公式レンジ外からのアクセスも想定して確認する価値があります。

Perplexity-Userのアクセスは歓迎すべきですか、遮断すべきですか?

基本は歓迎してよいアクセスです。Perplexity-Userの取得は「Perplexityのユーザーが今まさに自サイトを参照している」需要を意味し、止めるとその参照機会を失います。ただし2024年のWIREDと2025年8月4日のCloudflareから、遮断を回避する未宣言のアクセスがあったという指摘が出ている(Perplexityは否定)分、過剰負荷や不審挙動が見えたら、UA名でなく公式IPレンジ照合とファイアウォール側の対策で切り分けて対応してください。

関連する出典

この記事の根拠にした一次情報(=発表元がみずから出している資料)です。

  1. Perplexity: PerplexityのボットとIPレンジ(PerplexityBot / Perplexity-User)(新しいタブで開く)https://docs.perplexity.ai/guides/bots
  2. Cloudflare Blog(2025年8月4日): Perplexity is using stealth, undeclared crawlers to evade website no-crawl directives(新しいタブで開く)https://blog.cloudflare.com/perplexity-is-using-stealth-undeclared-crawlers-to-evade-website-no-crawl-directives/
  3. Perplexity(2025年8月4日・Cloudflareへの反論): Agents or Bots? Making Sense of AI on the Open Web(新しいタブで開く)https://www.perplexity.ai/hub/blog/agents-or-bots-making-sense-of-ai-on-the-open-web
  4. WIRED(2024年6月19日・Dhruv Mehrotra / Tim Marchman): Perplexity Is a Bullshit Machine(新しいタブで開く)https://www.wired.com/story/perplexity-is-a-bullshit-machine/

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