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GLOSSARY

Google AI Overviews(AI概要)

Google検索結果の最上部に出る、複数サイトの情報をまとめたAI生成の要約。旧SGEの後継で、日本でも展開済み。

えーあいおーばーびゅー12分で読めます

Google AI Overviews(日本語表示は「AI による概要」)は、Google検索の結果ページ最上部に表示される、生成AIが複数のWebページをまとめて作った要約です。利用者は個別サイトを開かずに答えの概略をつかめ、要約には根拠サイトへの引用リンクが添えられます。前身の実験版SGEを正式機能化したもので、日本でも展開済みです。企業にとっては「検索結果に並ぶ」ことに加え「AIの要約の中で引用される」ことが、見つけてもらう新しい鍵になります。

AI Overviews(AI概要)とは

AI Overviewsとは、Googleで質問すると検索結果の一番上に現れる、生成AIによる要約表示です。従来のGoogle検索は、問いに関連するページへのリンクを一覧で返す仕組みでした。AI Overviewsはその手前に、「複数のページから拾った情報を、AIがひとまとまりの文章に整えた答え」を差し込みます。たとえば「ぬか床の手入れの頻度」と調べると、複数の解説ページの内容を統合した数行の説明が最上部に出て、その根拠となったサイトへのリンクが要約のそばに並ぶ、という見え方になります。

重要なのは、AI Overviewsが「一つのサイトの丸写し」ではなく、「複数ソース(=情報源となる複数のWebページ)を横断してまとめた合成物」である点です。Googleの説明でも、AI Overviewsは複雑な話題の要点に早くたどり着かせ、さらに詳しく知るためのリンクへの出発点を提供するもの、とされています。つまりAI Overviewsは検索の終わりではなく、「概略をつかんでから、必要なら根拠サイトへ進む」という新しい入口として設計されています。

表示のされ方には幅があります。すべての検索に出るわけではなく、AIの要約が従来の検索結果以上の利点を足せるとGoogleが判断した問い(複雑な質問、比較や背景説明が要る問いなど)で出やすくなります。逆に、単純に一つのサイトへ行けば済む問いや、事実確認だけで足りる問いでは出ないこともあります。この「出る・出ない」の判断はGoogle側のモデルが担っており、公開された固定ルールがあるわけではありません。

なぜ重要か(AI検索での位置づけ)

AI Overviewsが決定的に重要なのは、それが「世界最大の検索入口であるGoogleに、AIの要約を標準搭載した」機能だからです。ChatGPTやPerplexity(パープレキシティ=出典付きで答える対話型AI検索)のような専用サービスは、使う人が意識的にそちらを開く必要があります。対してAI Overviewsは、普段どおりGoogleで検索した利用者の目の前に、いや応なくAIの要約が現れます。利用者数の桁が違うため、AI検索の影響を最も広く一般に届けているのがAI Overviewsだといえます。

企業サイトにとっての意味は二面あります。一つは「ゼロクリックの拡大」という逆風です。答えが画面上部で足りてしまえば、利用者は個別サイトのリンクを開かなくなり、従来型のクリック流入は減りやすくなります。もう一つは「引用される新しい露出枠」という順風です。AI Overviewsは要約の根拠としてサイトを引用・リンクするため、その引用元に選ばれれば、クリックされなくてもブランド名や情報が要約の中に載り、利用者の目に触れます。従来のSEO(=検索結果で上位に出す対策)が「順位」を競ったのに対し、AI Overviews時代は「AIの要約に引用されるか」という新しい競争軸が加わったのです。

当ラボがAI Overviewsを研究対象の中心の一つに置くのも、この二面性ゆえです。日本語圏での展開が進むにつれ、「どんな問いでAI Overviewsが出るのか」「どんなページが引用元に選ばれるのか」「引用がクリックにどれだけつながるのか」を継続的に観測することが、企業のAI検索対策(AIO=AI Optimization。AIに引用・参照されるための最適化)の実務判断に直結します。

仕組み(どうやって要約が作られるか)

AI Overviewsの生成には、GoogleがAI Modeとも共通で用いると説明する「クエリファンアウト(query fan-out)」という手法が関わります。これは、利用者の一つの問いに対して、AIが内部で関連する複数の検索を同時に走らせ、いくつものサブトピック(=下位の小テーマ)やデータソースから情報を集めてくる仕組みです。集めた情報を土台に、AIが一つのまとまった要約を組み立て、その過程で見つかった裏付けページを引用先として表示します。

  • 問いの分解: 一つの検索語を、AIが関連する複数の下位の問いに内部で展開する(クエリファンアウト)
  • 情報の収集: 展開した各問いについて、Google検索のインデックス(=収集済みページの巨大な索引)から関連ページを集める
  • 要約の生成: 集めた複数ページの内容を、生成AIが一つのまとまった文章にまとめる
  • 引用の付与: 要約の根拠になったページへのリンクを、要約のそばに引用として並べる
  • 表示の判定: AIの要約が従来の結果以上の価値を足せる問いかを判断し、出す・出さないを決める

ここで押さえるべきは、AI Overviewsの材料はGoogle検索のインデックス、つまりGooglebot(グーグルボット=Googleの基本クローラー)が普段から集めているページだという点です。AI Overviews専用の別クローラーが自社サイトを取りに来るわけではありません。したがって「AI Overviewsに引用されたい」なら、まずGooglebotに正しくクロール・インデックスされていることが前提になります。特別なタグや裏技ではなく、通常のSEOで積み上げる「クロールされ、索引に載り、内容が明確である」という土台の上に成り立ちます。

この「材料はインデックス」という事実は、対策の見取り図を単純にします。AI検索の新機能が出るたびに専用の対策を積み増すのではなく、Googlebotに正しく読まれ、内容が明確で根拠が示されているという一つの土台を固めれば、それがAI OverviewsとAI Modeの両方に効きます。逆に言えば、robots.txt(=クローラーへの許可・拒否を書くファイル)noindex(=索引から除外する指定)で自らGooglebotをブロックしていると、検索順位を失うだけでなく、AI Overviewsの引用候補からも同時に外れます。新機能への対応と基本のSEOは別物ではなく、同じ土台の上で連続しているのです。

具体例・従来検索との違い

従来のGoogle検索結果とAI Overviewsの違い
観点従来の検索結果AI Overviews(AI概要)
表示物各ページへのリンク一覧AIが複数ページをまとめた要約+引用リンク
情報源1リンク=1サイト複数サイトを横断して合成
利用者の動きリンクを開いて読む前提画面上で概略が済むことが多い(ゼロクリック傾向)
企業の露出検索順位で上位に出る要約の引用元に選ばれると本文内で言及される
出る条件ほぼ全ての検索で一覧が出る要約が価値を足せるとAIが判断した問いで出る

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見え方の具体例として、比較や手順を含む問いを考えると分かりやすくなります。「一人暮らしの電気代を下げる法」のような問いでは、単一ページのコピーではなく、複数の節約サイト・電力会社の解説・公的機関の情報を横断した要約が出やすく、その根拠として複数サイトが引用されます。引用枠に入れば、利用者がリンクを開かなくても自社の主張や数値が要約の中に反映され、目に触れる可能性が生まれます。

ただし、AI Overviewsの表示は同じ問いでも一定ではありません。時期・地域・利用者の文脈によって、出るときと出ないとき、引用されるサイトの顔ぶれが変わりえます。したがって「一度引用されたから安定して露出できる」とは限らず、逆に「今日出なかったから今後も出ない」とも言い切れません。実務では、自社の主要な問いについて日を変えて複数回確認し、単発の観測で結論を急がないことが重要です。当ラボが単発でなく継続観測を重視するのも、この揺らぎを踏まえた判断が要るからです。

誤解・注意点

もう一つの誤解は、「AI Overviewsに引用された=必ずアクセスが増える」というものです。AI Overviewsはゼロクリックを促す側面も持つため、引用されてもクリックにつながらない場合があります。逆に、引用の有無だけを追ってアクセス減を嘆くのも早計です。露出(要約内での言及)とクリック(サイト流入)は別の指標であり、AI検索時代はこの二つを分けて捉える必要があります。当ラボは、この露出とクリックの関係そのものを継続観測の対象にしています。

さらに注意したいのは、AI Overviewsの引用元は必ずしも検索1位のサイトとは限らない点です。要約は複数ページを横断して合成されるため、順位は高くなくても、その問いの特定の論点に的確に答えているページが引用されることがあります。これは順位争いに敗れがちな中堅・専門サイトにとって、新しい露出の窓口になりえます。逆に、順位1位でも要約に引用されないこともあり、「順位=AI Overviews露出」という等式は成り立ちません。順位とAI Overviews引用は関連しつつも別の評価だと理解しておくことが、施策の期待値を誤らないために重要です。

日本での展開と企業の可視性への影響

AI Overviewsは英語圏で先行して広がり、その後、日本語を含む多言語へ展開されました。Googleは2024年5月14日に米国の全ユーザーへの提供開始を発表し、同年10月には100か国以上拡大するとともに、日本語を含む対応言語を広げたと公表しています。日本語版では「AI による概要」と表示され、日本語での検索でも要約が出るようになっています。企業にとって見過ごせないのは、これがゼロクリック(=検索画面で答えが済み、サイトを開かないまま離脱すること)を一段と広げる契機になる点です。要約が上部を占めるほど、従来は上位表示で確保できていたクリック流入が、上位のままでも目減りしうるのです。順位を落としていないのに問い合わせや資料請求が減った、という「順位据え置きの流入減」は、AI Overviewsが原因の候補として最初に疑うべき現象になりました。

ただし可視性(=利用者の目に触れる度合い)の観点では、逆の効果も同時に起きます。クリックされなくても、要約本文の中で自社名・自社の主張・自社が出典の数値が引用されれば、それ自体がブランドの露出です。とりわけ比較・検討段階の問いで引用されれば、購買の意思決定に影響を残せます。したがって企業の可視性は「サイト訪問数」だけでは測れなくなり、「AI Overviewsの要約内でどれだけ言及・引用されたか」という新しい面を、訪問数とは別に追う必要が出てきました。当ラボが日本語圏のAI Overviewsを継続観測するのも、この可視性の実態を数字で押さえるためです。

実務での扱い方

  1. まずGooglebotに正しくクロール・インデックスされているかを確認する(robots.txtやnoindexで自らブロックしていないか)
  2. 結論を先に言い切り、根拠となる数値・出典・定義を本文に明記して、要約に抜き出されやすい構造にする
  3. 自社の主要な問い(購買・比較・使い方など)で実際にAI Overviewsが出るか、出た場合の引用元を目視で確認する
  4. 引用元に自社が入っているか、競合が入っているかを定点観測し、内容や構造を継続的に見直す
  5. 露出(要約内言及)とクリック(流入)を別々の指標として計測し、片方だけで一喜一憂しない
  6. 順位とAI Overviews引用は別評価と理解し、上位表示だけを目標にせず引用されやすい構造も並行して整える
  7. 「順位は据え置きなのに流入だけ減った」現象を検知したら、AI Overviewsの表示拡大を原因候補として真っ先に確認する

AI OverviewsとSGEは違うものですか。

ほぼ同じものの、段階が違います。SGEはAI Overviewsの実験段階の旧称で、正式展開にあたってAI Overviewsという名称に変わりました。現在はAI Overviews(およびAI Mode)に移行しており、SGEは歴史的な呼び名として扱います。

AI Overviewsが出ると、上位表示していても流入は減りますか。

減ることがあります。要約が上部を占めると、順位を落としていなくてもクリックが目減りする「順位据え置きの流入減」が起こりえます。一方で要約内に引用されれば可視性は保てるため、流入と可視性は分けて評価するのが適切です。

AI Overviewsは日本でも出ますか。

出ます。日本語版では「AI による概要」と表示され、日本語の検索でも展開されています。すべての問いに出るわけではなく、要約が価値を足せるとGoogleが判断した問いで表示されやすくなります。

AI Overviewsに引用されるための特別なタグはありますか。

専用タグはありません。材料はGooglebotが集めた通常のインデックスなので、正しくクロール・インデックスされ、結論と根拠が明確で抜き出しやすい構造にすることが基本の対策になります。

AI Overviewsが出るとサイトへのアクセスは必ず減りますか。

必ずではありません。ゼロクリックを促す面はありますが、要約の引用元に選ばれれば本文内で露出でき、より詳しく知りたい利用者のクリックにつながることもあります。露出とクリックは別指標として捉えるのが適切です。

関連する出典

この記事の根拠にした一次情報(=発表元がみずから出している資料)です。

  1. Google 検索セントラル: AI features and your website(新しいタブで開く)https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features
  2. Google ブログ(2024年5月14日): Google I/O 2024: New generative AI experiences in Search(新しいタブで開く)https://blog.google/products/search/generative-ai-google-search-may-2024/
  3. Google ブログ(2024年10月): AI Overviews in Google Search expanding to more than 100 countries(新しいタブで開く)https://blog.google/products/search/ai-overviews-search-october-2024/

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