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GLOSSARY

AIボットの3分類

AI関連のボットを「学習・収集系/回答・検索系/user-triggeredフェッチャー」の3つの機能で体系化する横断概念。どのボットがどれかを見分けることが、AI検索の実務の起点になります。

えーあいぼっとのさんぶんるい11分で読めます

AIボットの3分類とは何か

AI検索の時代に入り、サイトへアクセスしてくるボットは「検索エンジンのクローラー」だけでなく、AIに関わる多種多様なボットへと広がりました。それらを名前ごとにバラバラに覚えるのは非効率で、しかも本質を見失います。そこで当ラボは、AI関連ボットを「機能」で3類型に束ねます。第一が学習・収集系(AI Data Scraper/AI Data Provider)で、モデル訓練用のデータや、第三者へ供給するデータを集めるボット。第二が回答・検索系(AI Search Crawler)で、AIの回答や検索結果に載せる候補をあらかじめ索引化するボット。第三がuser-triggeredフェッチャー(AI Agent/User-triggered Fetcher)で、ユーザーの個別指示に応じてその場で1〜数ページを取りに行く取得系です。OpenAI(オープンAI=ChatGPTを開発する企業)やAnthropic(アンソロピック=Claudeを開発する企業)が、用途ごとにボットを分けて公開しているのは、この3機能を反映したものです。

この枠組みの価値は、各ボットの「robots.txtの効き方」と「AI検索での意味」がこの3分類でおおむね決まる点にあります。学習・収集系はrobots.txtを尊重する前提のものが多く、拒否は「訓練データから除外してほしい」意思表示になります。回答・検索系も尊重する前提で、許可は「回答・検索結果に載る候補になる」ことを意味します。user-triggeredフェッチャーは、ユーザー本人の行為に近いため、robots.txtの一般ルールを必ずしも尊重しない設計のことがある——これはユーザーの閲覧そのものを止める取り決めではない、という考え方に基づきます。この違いを押さえると、後述の一覧表がそのまま実務の判断材料になります。

なぜ重要か(AI検索での位置づけ)

AI検索の可視化(=生成AIの回答に自社が引用・参照されること)を測るとき、3分類は「入口」と「成果」を切り分けるためのものさしになります。学習・収集系のアクセスは長期的な認知の土台にはなり得ますが、いつ・どの回答に反映されるかは不透明で、リアルタイムの引用可視化とは結びつきません。回答・検索系は成果に一歩近く、索引化されれば回答・検索結果に載る候補になります。user-triggeredフェッチャーは、まさに“今このユーザーの質問”に使われるため、個別の露出に直結します。これらを混ぜてログを合計すると、たとえばアクセス量の主役になりやすいBytespider(学習・収集系)に全体が引きずられ、「AIからのアクセスが増えた=AI検索で評価が上がった」と誤読してしまいます。当ラボが計測で3分類を分けているのは、この取り違えを構造的に防ぐためです。

3分類の一覧(機能・robots.txt・AI検索での意味)

AI関連ボットは名前でなく「機能」で3分類します。robots.txtの効き方と成果の意味が分類で決まります。
分類機能(何をするか)robots.txtの尊重AI検索での意味代表ボット
学習・収集系モデル訓練用/第三者提供用のデータを集める尊重する前提(拒否=訓練除外の意思表示)訓練・素材の候補に入るだけ。引用の証拠ではないGPTBot / ClaudeBot / Bytespider / Diffbot / Timpibot / ImagesiftBot
回答・検索系AIの回答・検索結果に載せる候補を索引化する尊重する前提(許可=掲載候補になる)成果に近い。回答・検索結果の出典に載る候補OAI-SearchBot / PerplexityBot / YouBot
user-triggered フェッチャーユーザー指示でその場でページを取りに行く必ずしも尊重しない場合があるユーザー個別の閲覧に近い。個別露出に直結ChatGPT-User / Perplexity-User / Diffbot-User

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代表ボット一覧(所有者・種別・robots尊重)

各ボットの詳細は個別ページへ。robots尊重欄は前提であり、UA詐称・挙動変化の可能性は常に残ります。
ボット所有者分類robots尊重一言メモ
GPTBotOpenAI学習・収集系尊重ChatGPTのモデル訓練用データ収集
OAI-SearchBotOpenAI回答・検索系尊重ChatGPTの検索機能で表示する候補を索引化
ChatGPT-UserOpenAIuser-triggered必ずしも尊重しないユーザー指示でその場取得
ClaudeBotAnthropic学習・収集系尊重Claudeのモデル訓練用データ収集
PerplexityBotPerplexity回答・検索系尊重回答の出典候補を索引化
Perplexity-UserPerplexityuser-triggered必ずしも尊重しないユーザー質問時の即時取得
BytespiderByteDance学習・収集系尊重が期待される分類アクセス量が突出しやすい訓練収集
YouBotYou.com回答・検索系寄り尊重検索・回答インデックスの構築
DiffbotDiffbot学習・収集系尊重Webを事実へ構造化し第三者提供
TimpibotTimpi学習・収集系検証方法未公開分散型インデックス。LLM訓練にも使われ得る
ImagesiftBotHive(ImageSift)学習・収集系尊重公開画像を中心に収集

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この2つの一覧表は、当用語ページを「地図」として使うための中核です。各ボットの詳細(正確なUA文字列・公式IPレンジ・拒否例・注意点)は、それぞれの個別用語ページに記載しています。まず所属会社と分類を上の表で当たりを付け、深掘りしたいボットの個別ページへ進む、という読み方を想定しています。お表の「robots尊重」欄はあくまで各社の公表や第三者の分類にもとづく前提であり、Timpibotのように検証方法を公開していないものもあります。分類は判断の出発点であって、最終判断は必ず実測(ログ・IP・挙動)で裏を取ってください。

仕組み(UAとrobots.txtによる見分け方)

  • UAで当たりを付ける:アクセスログのUA文字列に含まれるボット名(GPTBot / OAI-SearchBot / ClaudeBot / PerplexityBot 等)で、所有者と分類の見当をつけます。
  • 分類でrobots.txtの効き方を読む:学習・収集系と回答・検索系は尊重する前提。user-triggeredフェッチャーは必ずしも尊重しないと理解します。
  • IPレンジ・逆引きで裏を取る:主要ボットは所有者が公式IPレンジを機械可読ファイル(bots.json / searchbot.json 等)で公開しています。UA名の一致に加え、アクセス元IPが公式範囲か(または逆引きが公式ドメインに解決するか)で本物を確かめ、詐称を排除します。
  • 成果は分類で分けて測る:学習・収集系の量は成果ではありません。回答・検索系の露出や実際の回答出典を、学習系と混ぜずに集計します。

具体例・データ

  • 学習・収集系の例:GPTBot(OpenAIの訓練収集)、ClaudeBot(Anthropicの訓練収集)、Bytespider(ByteDanceの訓練収集・量が突出しやすい)、Diffbot/Timpibot/ImagesiftBot(第三者提供・分散型・画像収集)。
  • 回答・検索系の例:OAI-SearchBot(ChatGPTの検索表示候補の索引化)、PerplexityBot(回答出典の索引化)、YouBot(You.comの検索・回答インデックス)。
  • user-triggeredフェッチャーの例:ChatGPT-User、Perplexity-User、Diffbot-User(いずれもユーザー指示でその場取得。robots.txtの一般ルールを必ずしも尊重しない)。
  • 詐称対策の実例:主要各社はIPレンジ(例 searchbot.json、bots.json)を公開しており、UA照合+IP照合の二段で本物を確認するのが実務の定石。

よくある誤解・注意点

実務での扱い方

  1. ログを3分類で仕分ける:まずアクセスログのボットを、学習・収集系/回答・検索系/user-triggeredフェッチャーの3つに分けて集計します。合算しません。
  2. 針を分類ごとに決める:学習・収集系は「訓練利用を許すか拒否するか」、回答・検索系は「露出を取りに行くか保護を優先するか」を、それぞれ別に判断します。
  3. robots.txtを分類の理解に沿って書く:拒否したい学習系・回答系はUAごとに `Disallow` を明記します。user-triggeredフェッチャーはrobots.txtだけでは止まらない前提で設計します。
  4. IPで裏を取る:重要な遮断・許可は、UA名でなく公式IPレンジ照合・逆引きで詐称を排除してから決めます。
  5. 成果は回答系で測る:AI検索の可視化は、学習系の量ではなく、回答・検索系の露出と実際の回答出典のモニタリングで評価します。

よくある質問(FAQ)

なぜ「名前」でなく「機能」で分類するのですか?

同じ会社でも用途ごとに別のボットを走らせるからです(例:OpenAIはGPTBot=訓練、OAI-SearchBot=検索、ChatGPT-User=取得)。名前だけ覚えても、robots.txtの効き方やAI検索での意味は読めません。機能で束ねると、これらが分類ごとにおおむね決まります。

「クロールされた≠引用された」とはどういう意味ですか?

ボットにページを取得(クロール)されても、それがAIの回答に出典として引用された証拠にはならない、という意味です。とくに学習・収集系は訓練候補に入り得るだけ。引用の可視化は回答・検索系の露出や実際の回答出典で測ります。

UAが本物かどうかは、どう確かめますか?

UA名は詐称できるので、名乗りだけでは確かめられません。主要ボットは所有者が公式IPレンジ(bots.json / searchbot.json 等)を公開しています。UA照合に加えてアクセス元IPが公式範囲か、または逆引きが公式ドメインに解決するかを確認して、本物を裏付けます。

無名のボットまで把握する必要がありますか?

あります。Timpibotのような新興・分散型や、Diffbot・ImagesiftBotのような第三者提供・画像収集系も、サーバー負荷の原因や、自社コンテンツが訓練・製品データに取り込まれる経路になります。3分類の枠に当てはめて、許可・拒否の方針を明確にしておくことが実務の基本です。

user-triggeredフェッチャーは、なぜrobots.txtで止まらないことがあるのですか?

ユーザー本人が「このURLを読んで」と指示した瞬間の取得は、自動巡回ではなくユーザーの閲覧行為に近いと位置づけられるからです。robots.txtは自動クローラー向けの取り決めであって、ユーザー本人の閲覧を止めるものではない、という考え方に基づきます。そのため、robots.txtで拒否しても、ユーザー起点の個別取得までは止まらないことがあります。

関連する出典

この記事の根拠にした一次情報(=発表元がみずから出している資料)です。

  1. OpenAI: OpenAI のボット(GPTBot / OAI-SearchBot / ChatGPT-User 等)(新しいタブで開く)https://platform.openai.com/docs/bots
  2. Anthropic サポート: Anthropic のクローラー(ClaudeBot)(新しいタブで開く)https://support.anthropic.com/en/articles/8896518
  3. Dark Visitors(現 Known Agents): エージェント一覧(新しいタブで開く)https://darkvisitors.com/agents

関連用語

AIクローラー

えーあいくろーらー

生成AI各社がWebページを自動取得するボットの総称。学習・収集系と回答・検索系に大別されます。

ClaudeBot

くろーどぼっと

Anthropic(対話型AI「Claude」を開発する企業)がモデル訓練用データを集めるために公開する学習・収集系クローラー。

Bytespider

ばいとすぱいだー

ByteDance(TikTokを運営する中国企業)が、AIモデル訓練用に大規模なデータを集める学習・収集系クローラー。アクセス量が非常に多いです。

PerplexityBot

ぱーぷれきしてぃぼっと

Perplexity(出典付きで回答するAI検索エンジンを運営する企業)が、回答の出典として表示する候補をインデックスするための検索系クローラー。

robots.txt

ろぼっつてきすと

サイト直下に置き、クローラーに取得してよい範囲を伝える取り決めファイル。強制力はなく準拠は任意。

ユーザーエージェント

ゆーざーえーじぇんと

HTTPリクエストでソフトが自己申告する名前。ブラウザとボットの見分けに使うが、詐称も可能。

AI検索

エーアイけんさく

生成AIを使って答えを導く検索の総称。

OAI-SearchBot

おーえーあいさーちぼっと

OpenAIの回答・検索系クローラー。ChatGPTの検索機能で参照先(出典)を表示するために使います。学習用GPTBotとは目的が別で、AI検索の可視性ではここが最重要。ここに取得・索引されることが「ChatGPTの回答に載る」に最も近いです。

GPTBot

じーぴーてぃーぼっと

OpenAIが公開・運用する学習・収集系クローラー。将来のモデル訓練データにするために公開Webを巡回します。ChatGPT検索の回答表示用OAI-SearchBotや、ユーザー起点取得のChatGPT-Userとは目的が別。

Timpibot

てぃんぴぼっと

Timpi(ティンピ=独立したノード運営者が分散して検索インデックスを作る分散型プロジェクト)のクローラー。集めたインデックスはLLMの訓練にも使われ得る学習・収集系。

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