結論から言えば、AI SEOは従来のSEOと別物ではなく、その延長にあります。Googleは2026年5月に公開し、同年7月10日に更新した公式ガイドで、AI検索に出るためにllms.txt(=AI向けにサイトの案内を書くテキストファイル)や新しいマークアップを作る必要はないと示しています。やるべきことは、独自の視点を持つ有用なページを、クロールとインデックスができる状態で公開することです。
事業会社のWeb担当者に向けて、この記事では「AI SEO」の2つの意味、従来SEOとの関係、似た呼び名との違い、いまやるべきことを説明します。
「AI SEO」という語は、2つの意味で使われています。1つは、生成AIでキーワード調査や記事の下書きといったSEOの作業を効率化することです。もう1つは、ChatGPTやGoogleのAI Overviews(=検索結果の上部にAIがまとめた回答を出す機能)の回答の中で、自社のページが引用・参照される状態を作るための取り組みです。この記事は主に後者を扱い、前者のうちAIで書いた記事の扱いだけを、「AIで書いた記事はSEOで不利になるか」の章でGoogleの見解に沿って説明します。AI検索への対策の全体像は、 AIO対策の進め方 にまとめています。
図1:同じ語が、AIを使うSEOとAIに引用されるSEOの両方に使われている。この記事は後者を扱う。
拡大図1:同じ語が、AIを使うSEOとAIに引用されるSEOの両方に使われている。この記事は後者を扱う。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ GoogleのAI機能は、独立した新しい仕組みではなく、中核の検索ランキング・品質システムに根ざしています。Googleは、AI OverviewsやAI Modeに出るための追加要件や特別な最適化はないと述べています。
図2:AI機能は中核の検索ランキング・品質システムに根ざし、RAGとquery fan-outで関連ページを取りに行く。
拡大図2:AI機能は中核の検索ランキング・品質システムに根ざし、RAGとquery fan-outで関連ページを取りに行く。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ ただし、AI検索は検索順位をそのまま要約しているわけではありません。GoogleのAI機能は、RAG(=検索結果から関連ページを取り出し、回答の裏付けに使う仕組み)とquery fan-out(=AIが関連する検索語を自分で作り、追加の結果を取りに行く仕組み)を使います。そのため、元の検索語で上位にないページが引用されることもあります。出発点は、インデックスされ、スニペット(=検索結果に出る説明文)つきで表示できるページであることです。
Googleの公式ガイドの要点:AI検索に出るために新しい機械可読ファイル、AI向けテキストファイル、マークアップ、Markdownを作る必要はなく、llms.txtはGoogle検索自体が使っていません。生成AI検索に構造化データは必須ではなく、追加が必要な専用のschema.orgマークアップもありません。一方で、インデックスされ、スニペットつきで表示できる状態でも、クロール・インデックス・表示は保証されない、とも書かれています。
似た呼び名が多くありますが、一般的な用法では指す取り組みがほぼ重なっています。呼び名の違いより「どのAIの回答に出たいか」を先に決めるほうが、実務では役に立つと考えられます。呼び名ごとの詳しい説明は、LLMOとはとGEOとはで扱っています。
図3:一般的な用法では指す取り組みがほぼ重なる。どのAIの回答に出たいかを先に決める。
拡大図3:一般的な用法では指す取り組みがほぼ重なる。どのAIの回答に出たいかを先に決める。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 注:一般的な用法です。呼び名の定義は統一されておらず、提供元によって範囲が異なります。
呼び名 主に指すこと(一般的な用法) SEO Google検索などの検索結果で上位に表示されるための対策 AIO AI Overviewsを含むAI検索の回答に選ばれるための対策 LLMO ChatGPTなどのLLM(=大量の文章で学習した言語モデル)の回答に取り上げられるための対策 GEO 生成AIが答えを組み立てる検索エンジン全般で引用されるための対策 AEO 質問への答えとして表示・引用されるための対策 AI SEO AIでSEOを効率化すること。または、AIの回答に引用されるための対策(AIO・LLMOとほぼ重なる)
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Googleは公式ガイドで、ありふれた一般論の焼き直しではなく、独自の視点を持つ有用なページを求めており、その内容を次の4つの面から説明しています。
独自性:一次情報(=自社で直接集めた、ほかにない情報)や独自の視点を含むこと 構造:人の読み手に向けて、見出しと段落で整理すること。AI向けに細かく分割したり、AI用の書き直し版を作ったりする必要はありません 技術:クロールできること。セマンティックHTML(=意味に合ったタグで組んだHTML)は必須ではないものの、使うことが勧められています。どの端末でもきちんと表示し、表示の遅れを減らすことも挙げられています 画像や動画:GoogleのAI機能は、関連する画像や動画を回答に取り込むことがあります llms.txtと構造化データでのGoogleの記述と各社の扱いの違いは、llms.txtの書き方とAI検索と構造化データで詳しく説明しています。
注:比較はGoogleの公式ガイドに基づきます。ChatGPTなどほかのAIには当てはまらない場合があります。GoogleのAI機能からの流入は検索パフォーマンスレポートの「ウェブ」に合算され、通常の検索からの流入と切り分けられません。出典:Google Search Central、Bing Webmaster Blog(2026年9月30日時点)
観点 従来SEO GoogleのAI機能(AI Overviews・AI Mode) ゴール 検索結果でのクリック獲得 AIの回答内での引用・参照 評価の土台 検索ランキング・品質システム 同じ(その上にAI機能がある) 技術対応 クロール・インデックス・構造化データ 同じ(AI専用のファイルやマークアップは不要) 成果の測り方 Search Consoleの検索パフォーマンス(掲載順位・クリック数) Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート(生成AI機能を通じてどう見つけられているか)。BingではBing Webmaster ToolsのAI Performance(AIの回答での引用数)
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成果の測り方の列にある2つのレポートの使い方は、 AI検索の計測 で手順を追って説明しています。
図4:独自の視点を持つ有用なページを、人の読み手に向けて整え、クロールできる状態で出す。
拡大図4:独自の視点を持つ有用なページを、人の読み手に向けて整え、クロールできる状態で出す。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 結論として、生成AIを使ったこと自体は不利にならず、Googleが問題にしているのは作り方ではなく、読む人への価値です。Googleの生成AIコンテンツに関するガイダンスは、価値を足さずに生成AIで大量のページを作ると、スパムポリシーの「scaled content abuse(=大量生成コンテンツの不正使用)」に違反しうると書いています。
図5:AI機能からの流入は「ウェブ」に合算されるため、専用のレポートで見つかり方を見る。
拡大図5:AI機能からの流入は「ウェブ」に合算されるため、専用のレポートで見つかり方を見る。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 生成AIで下書きや構成を作る場合も、事実の確認と、自社ならではの経験や一次情報の追加は人が行います。AIで書いた文章を人が直す手順は、AIライティングの進め方で扱っています。
やることは新しい裏技ではなく、従来SEOの基本を高い水準で実行することです。まず現状を測り、そのうえで内容と技術を直す順で整えます。
図6:まず現状を測り、そのうえで内容と技術を直す。
拡大図6:まず現状を測り、そのうえで内容と技術を直す。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ Googleの生成AI機能でどう見つけられているかをSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、Bingでの引用数をBing Webmaster ToolsのAI Performanceで確かめます 一次情報の発信を増やし、コモディティ(=どこでも読める一般論)を避けます 人の読み手に向けて、見出しと段落で構成を整理します。AI向けに書き直す必要はありません クロールとインデックスを担保します(robots.txt、JavaScript SEOのベストプラクティス、表示の遅れの削減)。ChatGPT検索に出したい場合は、OpenAIのクローラーOAI-SearchBotを拒否していないかも確かめます ローカル・EC事業は、GoogleビジネスプロフィールとMerchant Center(=商品データを登録するGoogleの基盤)を整備します クリック数だけで判断せず、生成AIパフォーマンスレポートやAI Performanceの数も合わせて見ます AI SEOのうち、AIの回答に引用される側の取り組みは、Googleについては従来SEOの延長にあり、専用のファイルやマークアップは要りません。独自の視点を持つページを、クロールとインデックスができる状態で公開し、生成AIパフォーマンスレポートとAI Performanceで見つかり方を測る流れが土台になります。ChatGPTなどほかのAIは扱いが違う可能性があるため、各社のクローラーを拒否していないかも合わせて確かめます。AI検索での自社サイトの見え方について相談したい場合は、お問い合わせが窓口になります。
llms.txtは設置したほうがよいですか。 Google検索に出るためには不要です。Googleは公式ガイドで、Google検索自体はllms.txtを使っていないと書いています。Google以外のAIがllms.txtを使うかは、各社の公式ドキュメントで確かめられていません。ChatGPT検索については、OpenAIがOAI-SearchBotを拒否したサイトは回答に出ないと書いています。そのため、設置より先に各社のクローラーを拒否していないかを確かめます。
構造化データ(スキーマ)は必要ですか。 生成AI検索の必須要件ではありません。Googleは、AIのために追加が必要な専用のschema.orgマークアップは無いと書いています。
SEO対策をしていれば、AI検索対策は別にやらなくてよいですか。 Googleについては、SEOの基本がそのまま土台になります。そのうえで、生成AI機能での見つかり方を生成AIパフォーマンスレポートで測り、独自の情報を足していく運用が要ります。ChatGPTなどほかのAIでは、それぞれのクローラーを拒否していないかも確かめます。
AIで書いた記事は検索順位が下がりますか。 生成AIを使ったことだけでは下がりません。価値を足さずに大量のページを作ると、Googleのスパムポリシーに違反しうるとされています。
AI検索が普及するとアクセス数は減りますか。 Googleは、AI機能からの流入を検索パフォーマンスレポートの「ウェブ」に合算しており、AI機能だけの増減は切り分けられません。そのため、クリック数だけで判断せず、生成AIパフォーマンスレポートとBingのAI Performanceの数も見て判断します。