検索から人を呼ぶために記事を増やすと決めても、何本書けばよいのか、いつから効くのかは分かりません。記事は広告と違って出した日から数字が動くわけではなく、成果が出るまで人手はかかります。
検索する人の問いに答える記事を作り、検索エンジンから自社のサイトへ人を呼ぶ手法がコンテンツSEOです。ただしGoogleは、SEOが効果を発揮するのはユーザーを第一に考えたコンテンツに当てた場合だと書いています。本数を積むことは条件に入っていません。
この記事では、メリットとデメリット、5つの工程に分けた手順、E-E-A-Tの示し方、AI検索で何が変わるかをご紹介します。
コンテンツSEOとは、検索する人の問いに答える記事を作り、検索エンジンから自社のサイトへ人を呼ぶ手法です。作った記事はサイトに残り続けるので、広告のように出稿を止めた日に流入が消えることはありません。
図1:手を入れる対象で分かれる。記事の中身を受け持つのがコンテンツSEOで、ページの読み込みや構造化データといった土台の側はテクニカルSEOが受け持つ。
拡大図1:手を入れる対象で分かれる。記事の中身を受け持つのがコンテンツSEOで、ページの読み込みや構造化データといった土台の側はテクニカルSEOが受け持つ。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ SEOの施策は、手を入れる場所で大きく3つに分けられます。検索エンジンがサイトを正しく読み取れるようにするテクニカルSEO、読む人の問いに答える記事を作るコンテンツSEO、他のサイトからのリンクを扱う外部施策の3つで、コンテンツSEOはこのうち記事を受け持ちます。
コンテンツSEOが広まった背景には、Googleによる順位の仕組みの変更があったと考えられます。「Google 検索ランキング システムのご紹介」によると、2011年に発表されたPandaは高品質で独自性の高いコンテンツを検索結果に表示するためのシステムです。2012年に発表されたPenguinは、リンクスパム対策のためのシステムです。キーワードを詰め込んだり、リンクを買ったりする手口が通りにくくなり、記事の質で評価を得る方向へ施策の重心が移ったとみられます。
コンテンツSEOが成果につながるのは、検索エンジンに向けて書いた記事ではなく、読む人に向けて書いた記事です。Googleも「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で、SEOはユーザーを第一に考えたコンテンツに当てた場合に効果を発揮すると書いています。記事の本数を積むことはこの条件に入っていないので、何本書くかより先に、誰に向けて書くかを決めてください。
コンテンツSEOと混同されやすい用語が、テクニカルSEOとコンテンツマーケティングの2つです。どちらもコンテンツSEOとは扱う対象が違うだけで、対立するものではありません。
図2:要約が並んだ画面ではリンクが押されにくかった。米国での調査なので、日本の検索でも同じ割合になるとは限らない。
拡大図2:要約が並んだ画面ではリンクが押されにくかった。米国での調査なので、日本の検索でも同じ割合になるとは限らない。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ コンテンツSEOとテクニカルSEOは、手を入れる対象と向いている先が分かれます。コンテンツSEOは記事の文章と構成を直して検索する人に向け、テクニカルSEOはサイトの内部の構造を直して検索エンジンに向けます。やることの例では、表示速度や構造化データ(=ページの内容を検索エンジンが読み取れる形で書き添えるデータ)の整備がテクニカルSEOの側に入ります。
コンテンツSEO テクニカルSEO 手を入れる対象 記事の文章と構成 サイトの内部の構造 向いている先 検索する人 検索エンジン やることの例 キーワードの選定、記事の制作、公開した記事の書き直し 表示速度、構造化データ、検索エンジンが巡回する範囲の制御
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コンテンツSEOとテクニカルSEOは、どちらか一方だけでは足りません。記事が良くても検索エンジンが読み取れなければ検索結果に出ず、読み取れても記事が問いに答えていなければ読まれにくいためです。テクニカルSEOの実装の手順は AI検索のためのテクニカルSEO で扱います。
コンテンツマーケティングとの違いは、扱う範囲の広さにあります。コンテンツマーケティングは、動画もメールマガジンも資料も含めて顧客に情報を届ける取り組み全体を指し、コンテンツSEOはそのうち検索からの流入を受け持つ部分にあたります。つまりコンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部であって、同じものではありません。
手間と時間がかかるにもかかわらずコンテンツSEOに人手をかける理由は、大きく5つあります。
図3:4つは並列ではない。信頼性が中心にあり、残りの3つはそれを支える材料として置かれている。
拡大図3:4つは並列ではない。信頼性が中心にあり、残りの3つはそれを支える材料として置かれている。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 公開した記事がサイトに残り、公開したあとも読まれる機会が続く クリックごとの課金が無いので、流入が増えても費用が増えない 問いを持って検索した人が来るので、問い合わせなどその先の行動につながりやすい まだ困りごとが形になっていない層にも、関連するキーワードから届く 専門的な記事が積み上がると、その分野で社名を覚えてもらいやすくなる 広告との違いが大きいのは、クリックごとの課金が無い点です。広告は出稿している間だけ人が来て、止めた日に流入が消えます。記事は作るときに人手がかかりますが、公開したあとはクリックごとの費用をかけずに読まれる機会が残ります。
ただし、5つの利点があっても、何か月で何位になるといった見通しは立てにくいものです。順位は他のサイトとの兼ね合いで動くうえ、Googleの検索の仕組みも更新されるためです。
コンテンツSEOには始める前に知っておくべき短所が3つあり、どれも人手と時間にまつわるものです。
図4:公式は3つを並べているが、先に答えを出すのは「なぜ」である。誰のために作るのかが定まらないと、残りの2つに答えても形だけになる。
拡大図4:公式は3つを並べているが、先に答えを出すのは「なぜ」である。誰のために作るのかが定まらないと、残りの2つに答えても形だけになる。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 1つめの短所は、成果が出るまでに時間がかかることです。記事を公開してから検索結果に出るまでに、検索エンジンがページを見つけて評価する時間が要ります。Googleは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」で、変更の反映には数時間で済むものもあれば数か月かかるものもあると書いています。
2つめの短所は、人手が要ることです。記事1本ごとに、誰に向けて何を書くかを決めて構成を作り、本文と図を作って、公開したあとに数字を見ます。これらの工程を回し続ける体制が無いと、数本作ったところで止まることがあります。
3つめの短所は、公開したあとも直し続ける手間がかかることです。書いた時点で正しかった記述も時間がたつと古くなることがあり、競合が新しい記事を出せば順位も動きます。作って終わりにすると、積み上げた流入が落ちていく場合があります。
時間がかかること、人手が要ること、直し続けることの3つを見たうえで、それでも続けられる体制が社内にあるかを先に確かめてください。途中で止めると、作った記事が古くなったまま残り、かけた人手が成果につながりにくくなります。
コンテンツSEOの手順は5つの工程に分かれ、1つめから順に進めて、5つめの工程を終えたら1つめへ戻って回します。
図5:著者ページは、このうち自分について述べていることにあたる。3つのうち1つだけを整えても、判断の材料はそろわない。
拡大図5:著者ページは、このうち自分について述べていることにあたる。3つのうち1つだけを整えても、判断の材料はそろわない。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ ペルソナ(=記事を読む人の想定像)を決める。記事を読む人がどんな仕事をしていて、何に困っているかを1人分書き出す ペルソナがどう動くかを並べる。困りごとに気づいてから、調べ、比べ、決めるまでの流れを書き、それぞれの段階で何を検索するかを添える キーワードを選ぶ。ペルソナが検索する言葉を書き出し、検索数と競合の強さで絞る 記事を作る。構成を先に作り、それから書く。構成の段階で、そのキーワードで検索する人が何を知りたいのかを確かめる 数字を見て直す。公開したあとに順位と流入を見て、届いていない記事を直す 3つめのキーワードを選ぶ工程では、上位に入る見込みがあるか、検索している人がいるか、そのキーワードで来た人が自社の目的につながるかの3つの条件で絞ります。検索数だけで選ぶと、訪れた人が問い合わせなどにつながらないキーワードに人手をかけることになりかねないためです。
4つめの記事を作る工程では、構成の出来が、できあがる記事の質に大きく関わります。構成は書く人への指示書になるので、構成が検索する人の問いとずれていると、どれだけ丁寧に書いても読む人に届きにくくなります。
5つの工程には、それぞれ作るものがあり、1つの工程で作ったものが次の工程の材料になります。工程ごとに、作るものを並べました。
工程 作るもの ペルソナを決める 読む人1人分の書き出し 動きを並べる 段階ごとの検索の言葉の一覧 キーワードを選ぶ 書く記事の一覧と優先順位 記事を作る 構成と本文 数字を見て直す 順位と流入の記録、直す記事の一覧
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E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trust=経験・専門性・権威性・信頼)は、Googleがコンテンツの品質を評価する観点として挙げている4つの頭文字です。記事を作るときには、4つそれぞれを読む人にどう示すかを決める手がかりになります。4要素の公式の原文と、AI検索での位置づけはAI検索でのE-E-A-Tにまとめています。
図6:他社の記事を言い換えて出す作り方は、スパムに関するポリシーのスクレイピングにあたる。独自の情報を出す側が、公式の求めている形である。
拡大図6:他社の記事を言い換えて出す作り方は、スパムに関するポリシーのスクレイピングにあたる。独自の情報を出す側が、公式の求めている形である。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ E-E-A-Tの4つは横並びではありません。Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で、4つのうち信頼性を他の3つより重く見ています。残りの3つは信頼性を支える要素で、3つすべてで優れている必要はないとも書いています。
Googleが品質評価者向けに公開しているGeneral Guidelines(=検索の品質を評価する人に向けた手引き・2025年9月11日版)にも、信頼できないページの扱いが書かれています。経験や専門性や権威性がどれだけあるように見えても、信頼できないページのE-E-A-Tは低いという記述です。記事を作るときは、出典や運営元を示して信頼を固めることから始めるのが、順番として自然だと考えられます。
経験・専門性・権威性・信頼の4つは、Googleの説明がそれぞれ違うので、記事のどこで示すかと、示せているかの確かめ方も要素ごとに変わります。4つの要素ごとに、この3つを並べました。
要素 Googleの説明 記事のどこで示すか 確かめ方 経験(Experience) そのことを実際にやった人か 本文の中で、自分が試した記録や測った数字を出す 他の記事では書けない記述が1つ以上あるか 専門性(Expertise) その分野の知識があるか 著者の欄に経歴と担当分野を書く 著者名から経歴のページへ行けるか 権威性(Authoritativeness) その分野で知られているか 登壇や寄稿、他のサイトからの言及を並べる 外から確かめられる証拠があるか 信頼(Trust) 情報が正確で、運営元が分かるか 出典と確認日を添え、運営会社のページを置く 数字と引用に出どころが付いているか
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ただし、E-E-A-Tを整えることと順位が上がることは、同じではありません。Googleは、E-E-A-T自体と順位の関係を次のように書いています。
E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。
出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(2026年9月13日確認)(新しいタブで開く) Googleは引用と同じページで、検索品質評価者はページの掲載順位を制御できず、品質評価者のデータがランキングのアルゴリズムで直接使われることもないと書いています。
E-E-A-Tの4要素を整えれば順位が上がる、とは言い切れません。E-E-A-Tを整える目的は読む人が信じられる記事にすることなので、社内で施策を説明するときも、順位の話と分けて伝えてください。
記事に独自性が要ると言われても、何をどう作れば独自の内容になるのかは見えにくいものです。一次情報(=自分たちで直接集めた、よそには無いデータ)は、大がかりな調査をしなくても4通りの方法で作れます。
図7:工程の数を他社の記事に合わせて刻む必要はない。次へ何を渡すのかが定まっていれば、担当者が替わっても同じ形で進められる。
拡大図7:工程の数を他社の記事に合わせて刻む必要はない。次へ何を渡すのかが定まっていれば、担当者が替わっても同じ形で進められる。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ Googleが求めているのは、どこにでもある情報ではなく、自分たちで作った内容です。「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」の自己評価の質問には、独自の情報やレポート、研究または分析の結果を示しているかが挙がっています。2026年5月に出た「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」も、一般的な知識を超えた価値を持つ、専門家が作った独自のコンテンツに力を入れるよう求めています。
一次情報の4通りの作り方は、要る準備がそれぞれ違い、何が言えるようになるかも違います。作り方ごとに、要る準備と、何が言えるようになるかを並べました。
作り方 要る準備 何が言えるようになるか 自社で数字を測る 測る対象と測り方を決める 他社が持っていない数字で話ができる 社内の人に聞く 聞く相手と質問を決める 現場でしか分からない判断の理由を書ける 実際に試して記録する 試す環境と記録の形を決める やってみた結果と、うまくいかなかった点を書ける 公開資料を自分で数え直す 数える対象と分母を決める 出所のはっきりした集計を、期間つきで出せる
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4つのうち「公開資料を自分で数え直す」は、大がかりな準備が要りません。公開されている資料を自分で数え直し、いつ何本を見たかを添えれば、他の記事には無い数字になり得ます。数えた期間と分母を書かないと読む人がその数字を確かめられないので、数字には期間と分母を添えてください。
自社の記事がAI検索でどう扱われているかを測る方法は、 AI検索の計測 で扱います。
コンテンツSEOには順位を落とすおそれのある行為が5つあり、どれも、やってしまってから気づきやすいものです。
図8:文字数と本数を目標に置いた計画は、括弧の中の2文で根拠を失う。2026年9月2日に上位14本を開いたところ、この節の原文を引いていたページは1本も無かった。
拡大図8:文字数と本数を目標に置いた計画は、括弧の中の2文で根拠を失う。2026年9月2日に上位14本を開いたところ、この節の原文を引いていたページは1本も無かった。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 1つめは、他のサイトの記事を写して少し変えたうえで載せることです。Googleは「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」で、他のサイトのコンテンツをコピーし、語句を類義語に置き換えるなどして若干の修正を加えたうえで転載する行為を、スクレイピングの例に挙げています。
2つめは、自社のサイトの中で同じ話題の記事が重なることです。同じキーワードを狙った記事が複数あると、検索エンジンがどれを出すか決めかねて評価が分かれることがあります。書く前に、同じキーワードを扱う記事が自社にすでに無いかを確かめてください。
3つめは、成果が出る前に記事を書き換えることです。公開してすぐは評価が定まっていないことがあり、直しても効き目を確かめにくくなります。Googleは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」で、数週間待ってから検索結果への影響を確かめるよう勧めています。
4つめは外部への発注を増やしすぎることです。Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」の自己評価の質問に、外部委託などで多数の書き手が大量に制作した結果、個々のページやサイトの存在感が下がっていないかを挙げています。
5つめは、生成AIに記事づくりを任せきることです。Google 検索セントラル ブログの「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」(2023年2月8日公開)によると、AIを使ったからといって順位の面で特別な利点はありません。評価の対象は作成方法ではなく内容だと、同じガイダンスは書いています。
ただし、検索の順位を操作することを目的にAI生成などの自動化でコンテンツを作ると、Googleのスパムに関するポリシーに違反すると見なされます。Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で、この線引きを書いています。
AIを使った場合は、使ったことを読む人に明確に伝えることも、Googleは2023年2月8日のガイダンスで推奨しています。ただし、著者の署名欄にAIと書くのは、伝え方としてふさわしくないとされています。生成AIを使って書くときの手順と注意点はAIライティングとはで扱っています。
Googleの検索結果の上にAIが書いた答えが出るようになり、ページを開かなくても調べ物が済む場面が出てきました。それでもコンテンツSEOの手順は変わらず、変わるのは、AIの答えの中で自社の記事が引用されるかどうかの重みです。
図9:順に答える形にすると過不足が出ない。AIで書いたこと自体に順位の上乗せも減点も無く、線引きは何のために使ったのかにある。
拡大図9:順に答える形にすると過不足が出ない。AIで書いたこと自体に順位の上乗せも減点も無く、線引きは何のために使ったのかにある。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ AI検索が広がっても、「コンテンツSEOの手順」で並べた5つの工程はそのまま使えます。Googleも「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」で、生成AI向けの最適化とSEOの関係を次のように書いています。
Google 検索の観点から見ると、生成 AI 検索向けに最適化することは検索エクスペリエンス向けに最適化することであり、SEO の範疇にあります。
出典:Google 検索セントラル「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」(2026年9月13日確認)(新しいタブで開く) 同じガイドは、Google 検索の生成AIの機能がこれまでの検索のランキングと品質の仕組みに根差しているため、SEOのベストプラクティスが引き続き有効だとも書いています。
AIによる概要やGoogle AIモードに表示されるために、別の作業を足す必要もありません。Googleは「AI 機能とウェブサイト」で、AIによる概要やAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件は無く、特別な最適化も要らないと書いています。
AI検索のために構造化データを増やすこと自体も、打ち手にしないでください。「AI 機能とウェブサイト」は、AI機能に表示されるために特別な schema.org の構造化データを追加する必要は無いと書いています。「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」も、構造化データへの過度な注力を、する必要のないことの1つに挙げています。
変わるのは、AIの答えが出た画面でリンクが押される割合です。Pew Research Centerが、米国の成人900人から集めた2025年3月の閲覧記録を調べたところ、AIの要約が出た訪問で検索結果のリンクが押された割合は8%で、要約が出なかった訪問の15%の半分ほどでした。これは同じ問いを要約ありと要約なしの両方で試した結果ではなく、米国での調査なので、日本の検索で同じ割合になるとは限りません。
検索順位が同じでも自社のサイトへ来る人が減る場面があり、AIの答えの中で自社が引用されるかどうかの重みが増していると考えられます。Googleも「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」で独自のコンテンツを重視するよう書いているので、「一次情報をどう作るか」で並べた4通りの作り方は、AI検索に向けた準備としても使えます。
Googleは「AI 機能とウェブサイト」で、AI機能に表示されたサイトの数字の扱いも書いています。AIによる概要やAIモードに表示されたサイトも、Search Console(=自社のサイトが検索でどう扱われているかをGoogleが見せる無料の画面)の全検索トラフィックに反映されるという記述です。
AI検索への向き合い方そのものは AI検索対策の進め方 で扱います。
コンテンツSEOの5工程のすべてを自社で持つ必要はなく、構成が固まったあとの執筆と作図は外部に出せます。
図10:項目は公式の12問から採り、書き手が作った項目を混ぜていない。はいかいいえで判定できる点検表を持つページは、数えた14本に1本も無かった。
拡大図10:項目は公式の12問から採り、書き手が作った項目を混ぜていない。はいかいいえで判定できる点検表を持つページは、数えた14本に1本も無かった。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 工程ごとにどちらが持つかを決める手がかりは、その工程で自社の顧客や事業の目的を知っている必要があるかどうかです。ペルソナの整理や構成の作成、公開後の数字の確認は事業の判断を含むので自社が持ち、キーワードの選定は外部に相談しながら進める形もとれます。工程ごとに、どちらが持つかと、そう分ける理由を並べました。
工程 どちらが持つか そう分ける理由 ペルソナと動きの整理 自社 自社の顧客を知っているのは社内の人だから キーワードの選定 自社、または相談しながら 事業の目的につながるキーワードかどうかを判断するため 構成の作成 自社 構成が記事の質を決め、指示書にもなるため 執筆と作図 外部でもよい 構成が固まっていれば、外の人が書いても質を保てるため 公開と数字の確認 自社 直すかどうかの判断が事業の話だから
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外部へ出すときは、構成を渡すところまでを自社で進め、何を書くかが決まっていない状態では発注しないでください。構成が無いまま発注すると、戻ってきた原稿を直す手間のほうが大きくなる場合があります。
外注したときの制作費の相場は、この記事では扱いません。Googleの公式ドキュメントに記載が無く、当ラボでも測っていないためです。
コンテンツSEOの記事を公開する前には、はい・いいえで答えられる8つの項目を自分で確かめてください。
図11:見積もりを単価だけで比べる前に、この6つの工程のどこまでが含まれているのかを行ごとに確かめる。含まれていない工程は自社の作業時間として見込む。
拡大図11:見積もりを単価だけで比べる前に、この6つの工程のどこまでが含まれているのかを行ごとに確かめる。含まれていない工程は自社の作業時間として見込む。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 8つの確かめることは、誰が書いたかや数字の出どころのように、読む人が記事を信じられるかどうかに関わるものから選びました。どの項目も満たした状態が1文で決めてあり、確かめ方はリンクを押す、サイト内を検索するといった手を動かす作業なので、担当者が替わっても同じ判定ができます。
確かめること 満たした状態 確かめ方 誰が書いたか分かる 著者名から経歴のページへ行ける リンクを押して確かめる 数字に出どころがある すべての数字に出典と期間が付いている 本文の数字を1つずつ数える 引用に確認日がある すべての引用に確認した日が入っている 引用ブロックを1つずつ見る 他では読めない記述がある 自分で測った数字か記録が1つ以上ある 他社の記事と見比べる 同じキーワードの記事が重なっていない 同じキーワードを狙った記事がサイト内に無い サイト内を検索する 問いに1文目で答えている 各章の最初の文が問いへの答えになっている 章の1文目だけを読む 読む人が次に何をするか分かる 記事の終わりに次の行き先がある 最後の段落を読む 古くなった記述が無い 書いた時点の事実がいまも合っている 出典を開き直す
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8つのうち1つでも満たしていなければ、公開を止めて直してください。Googleは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で、自分で確かめるだけで終えず、サイトと無関係な信頼できる第三者に率直に評価してもらうことも勧めています。
記事の長さも公開前に見直す対象ですが、文字数を目標にはしないでください。Googleは同じページで、特定の文字数になるように書くことを避けるべき作り方に挙げ、Googleが優先する文字数の設定は存在しないと書いています。長さは、そのキーワードで検索する人が知りたいことの量に合わせてください。
リライト(=公開した記事を見直して書き直すこと)を判断するために見る数字は、検索順位、検索からの流入、流入したあとの行動の3つに絞ります。検索順位と流入はSearch Consoleで、流入したあとの行動はアクセス解析のツールで取れます。
図12:公開したあとに見る画面は Search ConsoleとGA4の2つに絞る。中身を変えずに日付だけを新しくする更新は、公式が回避すべき行為に挙げている。
拡大図12:公開したあとに見る画面は Search ConsoleとGA4の2つに絞る。中身を変えずに日付だけを新しくする更新は、公式が回避すべき行為に挙げている。
閉じる 出所:GMO AI検索ラボ 直すかどうかは、公開や書き換えの結果が検索結果に反映されるのを待ってから判断します。反映までに数か月かかる変更もあるため、公開の直後に数字が動いても、手を入れる根拠にはなりにくいと考えられます。
反映を待っても狙った順位に届かない記事は、直す、まとめる、消すの3つから対応を選びます。
直す。検索する人の問いと記事の内容がずれている場合。構成から見直す まとめる。同じキーワードを狙った記事が複数ある場合。1本に統合し、残りの記事のURLは統合した記事へ転送する 消す。そのキーワードで来た人が自社の目的につながらない場合。人手をかけ続ける理由が無い 直すと決めた記事は、どこをいつ直したのかを記録に残してください。記録が無いと、次に数字が動いたときに、どの直しが効いたのかを確かめられません。AI検索での見え方も含めた数字の取り方は AI検索の計測 で扱います。
コンテンツSEOは、検索する人の問いに答える記事を作って検索から人を呼ぶ手法です。手順は5工程で、変更が検索結果に反映されるまでに数か月かかる場合もあるため、続けられる体制を先に整えておく必要があります。
AI検索が広がっても5工程は変わらず、Googleも「生成 AI 検索向けに最適化するためのガイド」で、生成AI向けの最適化はSEOの範疇にあると書いています。
変わるのは1つだけです。AIの答えが出た画面ではリンクが押されにくい傾向があるので、答えの中で自社の記事が引用されるかどうかがこれまで以上に問われます。Googleが求めているのは、一般的な知識を超えた独自のコンテンツです。
始めるなら、4通りの一次情報の作り方のうち、大がかりな準備が要らない「公開資料を自分で数え直す」から手を付けてください。
記事は何字くらい書けばよいですか 目安の字数はありません。Googleは特定の文字数を狙って書くことを避けるべき行為に挙げ、優先する文字数の設定は存在しないと書いています。そのキーワードで検索する人が知りたいことを全部書いた結果が、その記事の長さになります。同じキーワードで上位に出ている記事の字数を数えると、どのくらいの量が求められているかの見当は付きます。
監修者は必要ですか 分野によります。健康や安全、お金や法律のように、判断を誤ると人の生活に大きく関わる分野では、専門家の監修を入れてください。Googleはこうした分野をYMYL(Your Money or Your Life)と呼び、E-E-A-Tが優れたコンテンツを特に重視すると書いています。品質評価者向けのGeneral Guidelinesには、大半の話題はYMYLではないとも書かれているので、すべての記事に監修者が要るわけではありません。
成果が出るまでどれくらいかかりますか 決まった期間はありません。Googleは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」で、変更の反映には数時間で済むものもあれば数か月かかるものもあると書き、数週間待ってから影響を確かめるよう勧めています。記事を公開してから検索エンジンが評価するまでは、順位も流入も動きにくいことがあります。始める前に、成果が出るまで数か月かかる場合も見込んだ計画を立ててください。
生成AIに書かせてもよいですか 使うこと自体は問題になりません。Googleは作成方法ではなく内容が評価の対象だと書いています。ただし順位を動かす目的で自動生成する場合は、スパムに関するポリシーに違反すると見なされます。使うなら、構成と事実の確認を人が持ってください。著者の欄にAIと書くのは、使ったことを伝える方法としてふさわしくないとされています。