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GLOSSARY

AI利用規約

各AIサービスが定める利用条件(商用可否・学習利用など)。AI検索対策時に企業が確認すべき点。

えーあいりようきやく11分で読めます

AI利用規約とは、各AIサービスが定める利用条件の総称です。商用利用の可否、入力データが学習に使われるか、禁止事項などがサービスごとに異なります。向きは二つあり、AIを使う企業が従う「利用者向け規約」と、サイト運営者がAIによる利用可否を示す「サイト側の宣言」です。AI検索対策では、自社が守る条件と自社が示す方針の両面を整理する必要があります。

AI利用規約とは(正確な定義)

AI利用規約は、AIサービスの提供者と利用者の間の取り決めを定めた文書です。一般に利用規約(terms of service=サービス利用条件)と呼ばれるものの、AIサービス版にあたります。ここには、サービスの利用資格、料金プラン、禁止行為、生成物の権利や商用利用の可否、入力したデータの取り扱い(学習に使うか否か)、責任の範囲などが記されます。AIサービスは進化が速く規約の改訂も頻繁なため、「以前確認したから大丈夫」ではなく、重要な用途で使う前には最新版を確認する姿勢が求められます。規約は長文で読みにくいことが多いものの、少なくとも商用利用・入力データの扱い・禁止事項の三点は、業務利用の前に必ず目を通すべき最低限の確認箇所です。

注意したいのは、「AI利用規約」という言葉が二つの異なる文脈で使われることです。一つはAIサービスを使う側から見た規約で、自社がChatGPT等を使うときに従うべき条件を指します。もう一つはサイトを運営する側から見た、AIによる自サイトの利用可否を示す方針・宣言で、robots.txtでのボット制御や、利用条件ページでのAI利用に関する記載がこれにあたります。前者は「使うときのルール」、後者は「使われるときのルール」であり、AI検索対策ではこの両方が関わってきます。

なぜ重要か(AI検索での位置づけ)

AI検索対策を進める企業にとって、利用規約の確認は二つの理由で重要です。第一に、AIを業務で使う際のリスク管理です。生成物を商用に使ってよいか、機密情報を入力してよいか、入力が学習に使われて外部に漏れるおそれがないかは、すべて規約に依存します。規約を読まずに使い、後から「商用不可だった」「入力が学習に使われていた」と気づくのは、事業上のリスクに直結します。第二に、サイト側の針表明です。AIに自社をどう扱ってほしいかを規約・宣言として明示することは、オプトアウトと並ぶ意思表示の手段になります。

とくに「入力データの学習利用」は、AI検索対策の担当者が見落としやすい重要点です。多くのAIサービスでは、利用者が入力した内容(会話・アップロードした文書)を、プランや設定によってはサービス改善や学習に使う場合があります。自社の未公開情報や顧客データをAIに入力する業務フローを組むなら、その入力が学習に使われない設定・プランかを規約で確認しなければなりません。AIを「読ませて露出を得る」対象として見る視点と、「業務で使う道具」として見る視点の両方で、規約は判断の土台になります。

もう一つの位置づけは、サイト運営者としての「示す側」の規約です。自社サイトの利用条件やAI利用方針のページで、「AIによる学習利用を許可しない」「引用時は出典を明記すること」といった針を表明しておくことは、robots.txtによる技術的な制御を補完する意思表示になります。技術的な遮断(robots.txt)と、文書での針表明(利用規約・AI方針)は、それぞれ別の層で自社の立場を示すものであり、両方を整えておくことで、AIとの向き合い方に一貫性が生まれます。

AI利用規約を「使う側」で軽視すると、思わぬ形で事業リスクが顕在化します。よくあるのが、現場の担当者が便利さから個別にAIツールを導入し、組織として規約を確認しないまま業務に組み込んでしまうケースです。ある「入力した内容が学習に使われていた」「生成物が商用利用不可の条件だった」と判明したとき、すでにその生成物を納品済み・公開済みだと、後戻りが難しくなります。AI利用規約の確認は、導入の入口で組織的に行うべき手続きであり、個々の担当者の判断に委ねきると、規約の見落としが組織全体のリスクとして蓄積します。

仕組み/規約で確認すべき論点

AIサービスを業務で使う前に、利用規約で確認しておくべき代表的な論点を整理します。サービスによって扱いが異なるため、それぞれ自社の用途に照らして確認します。

AI利用規約で確認すべき主な論点
論点確認すること見落としのリスク
商用利用の可否生成物を商用の場で使ってよいか商用不可のプランで納品物に使ってしまう
入力データの学習利用入力内容が学習・改善に使われるか機密情報が学習を通じ外部に出るおそれ
生成物の権利生成物の権利・利用範囲の扱い権利関係を誤解して外部に提供する
禁止事項許されない使い方の範囲規約違反でアカウント停止のリスク
プラン差無料版と有料版で条件が異なるか無料版の条件で有料前提の運用をする

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とくに「入力データの学習利用」と「プラン差」は組み合わせで効いてきます。同じサービスでも、無料版・個人向けと、法人向け・API利用とで、入力データを学習に使うか否かの扱いが異なることが一般的です。業務で機密性の高い情報を扱うなら、入力が学習に使われないことが明示されたプラン・設定を選ぶ、というのが基本の考え方になります。「便利だから」と無料版に機密情報を入れる運用は、規約次第で情報漏えいのリスクを抱え込みます。

「禁止事項」の確認も見落とされがちですが重要です。多くのAIサービスは、違法行為への利用、他者の権利侵害、なりすまし、特定分野での無資格の助言といった使い方を規約で禁じています。これらに反すると、アカウントの停止や、最悪の場合は法的な責任につながります。AI検索対策の一環でAIに大量の処理をさせる場合も、その使い方が規約の想定する範囲内かを確認する必要があります。とりわけ、自動化して大量にリクエストを送るような使い方は、サービスによっては制限や禁止の対象になることがあり、「技術的にできる」ことと「規約で許される」ことが一致しない典型例です。禁止事項は、便利さに流されて踏み越えやすい境界線なので、導入時に必ず目を通します。禁止事項を知らずに運用を組んでしまうと、ある日突然アカウントが止められ、その業務が丸ごと立ち行かなくなる、という形でリスクが表面化します。

具体例・二つの向きの規約

AI利用規約の「使う側」と「示す側」を、具体的な確認・整備の対象として並べます。AI検索対策では両方を扱います。

  • 使う(利用者向け規約の確認): 自社が使うAIサービスごとに、商用可否・入力データの学習利用・禁止事項・プラン差を確認する
  • 使う側の運用: 機密情報を入力する業務では、学習に使われないプラン・設定を選び、社内ルールとして周知する
  • 示す側(サイトの針表明): 自社サイトの利用条件やAI利用方針で、AIによる学習・利用の可否を明文化する
  • 示す側の技術的裏づけ: robots.txtでの制御と、文書での針表明を整合させ、言っていることと設定を一致させる

「使う側」で失敗しやすいのが、担当者が個々にAIツールを使い始め、規約を確認しないまま機密情報を入力してしまうケースです。組織として、どのAIサービスをどのプランで使ってよいか、何を入力してよいかを規約に基づいて定め、周知しておく必要があります。「示す側」で失敗しやすいのは、方針ページでは「AI学習を許可しない」と書きながら、robots.txtでは学習系ボットを許可したまま、という言行不一致です。文書の宣言と技術的な設定が食い違うと、意思表示としての説得力が失われます。

規約の「プラン差」は、とくに丁寧に見るべき論点です。同じAIサービスでも、個人向けの無料プランと法人向けの有料プラン、あるいはアプリ経由の利用とAPI(=プログラムから呼び出す接続口)経由の利用とで、入力データの学習利用の扱いが変わることが一般的です。多くの場合、法人向けやAPI利用のほうが、入力を学習に使わないよう配慮された条件になっています。したがって、機密性の高い業務でAIを使うなら、「どのサービスか」だけでなく「どのプラン・どの経路で使うか」まで規約で確認する必要があります。無料版で試して便利さを確認し、そのまま無料版で本番業務に機密情報を入れる、という流れは、プラン差を見落とした典型的な危険パターンです。

AI検索対策との関係でもう一点補足すると、「示す側」の規約整備は、自社をAIにどう扱ってほしいかという戦略の表明でもあります。たとえば「AI検索での引用は歓迎するが、学習利用は許可しない」という立場を取るなら、それを利用条件ページで明文化し、robots.txtで検索系を許可・学習系を拒否する設定と揃えます。逆に「積極的にAIに読ませて露出を最大化する」立場なら、その旨を方針として示し、技術設定も開放的にします。どちらの戦略であっても、文書での宣言と技術的な設定を一致させることが、外部から見た自社の姿勢の一貫性を担保します。

AI利用規約は改訂が頻繁だという性質は、運用面での継続的な負担も意味します。あるサービスの規約が更新され、入力データの学習利用の扱いや商用利用の条件が変わることは十分にありえます。導入時に一度確認して安心し、その後の改訂を追わないでいると、いつの間にか前提が変わっていた、という事態が起こります。だからこそ、規約の確認は一度きりの作業ではなく、定期的に見直す運用として組み込むのが安全です。とくに機密情報を入力する業務や、生成物を商用で使う業務では、条件の変化が直接リスクに跳ね返るため、周期を決めて最新の規約を点検し、社内ルールに反映していく姿勢が求められます。

よくある誤解・注意点

  • 無料で使えることと、商用利用・機密入力が許されることは別。規約の中身で判断する
  • サービスごとに条件が違います。あるAIで許される使い方が別のAIで許されるとは限らない
  • 規約は改訂されます。以前の確認をそのまま前提にしない
  • 「示す側」の針表明と、robots.txt等の技術設定は整合させます。言行不一致は説得力を損なう
  • 利用規約は法的な文書だが、著作権など個別の法判断まで代替するものではない

実務での扱い方(企業向けの手順)

  1. 使うサービスを洗い出す: 社内で利用中・利用予定のAIサービスを把握する
  2. 各規約を確認する: 商用可否・入力データの学習利用・禁止事項・プラン差を、サービスごとに確認する
  3. 社内ルールを定める: どのサービスをどのプランで使うか、何を入力してよいかを規約に基づき明文化する
  4. サイト方針を整える: 自社サイトのAI利用方針を表明し、robots.txt等の技術設定と整合させる
  5. 定期的に見直す: 規約改訂に合わせ、社内ルールとサイト方針を周期的に点検・更新する
  6. 判断に迷う点は専門家へ: 著作権や契約に関わる論点は、法務・専門家に確認する

AIが生成した文章を、そのまま商用サイトに使ってよいですか。

サービスの利用規約によります。商用利用を認めるサービスもあれば、プランによって条件が変わるものもあります。使う前に該当サービスの最新規約で商用利用の可否と生成物の扱いを確認してください。

業務でAIに機密情報を入力しても大丈夫ですか。

規約と設定次第です。入力内容がサービス改善や学習に使われる条件だと、機密情報が外部に反映されるおそれがあります。機密を扱うなら、入力が学習に使われないプラン・設定を規約で確認してから使ってください。

サイト側のAI利用方針は、robots.txtと別に用意すべきですか。

両方を整えるのが望ましいです。robots.txtは技術的な制御、方針表明は文書での意思表示で、層が異なります。両者を整合させておくと、AIとの向き合い方に一貫性が生まれ、意思表示としての説得力も高まります。

無料版と有料版で、規約の条件は変わりますか。

変わることが一般的です。同じAIサービスでも、個人向けの無料プランと法人向けの有料プラン、アプリ経由とAPI経由とで、入力データの学習利用の扱いなどが異なる場合があります。多くは法人向け・API利用のほうが入力を学習に使わない条件になっており、機密を扱う業務では「どのプラン・どの経路で使うか」まで規約で確認する必要があります。

関連する出典

この記事の根拠にした一次情報(=発表元がみずから出している資料)です。

  1. OpenAI: OpenAIのボット(利用・制御に関する説明)(新しいタブで開く)https://platform.openai.com/docs/bots

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